連載記事:<絵本ナビ監修>絵本をえらぶ
心にグッとくる! 大人がしっとりと味わうクリスマス絵本<絵本ナビ監修>絵本をえらぶ Vol.31
ふくびき
作:くすのき しげのり/絵:狩野 富貴子/出版社:小学館
「ふくびき」(絵本ナビ紹介ページ)
「おかあちゃんは、どうしてサンタさんに プレゼントを おねがいせえへんの?」という出だしから子どもの優しさにジーンときてしまう人もいるはず。自分のことを後回しにするおかあちゃんのため、お小遣いの80円をもって2人はバッグを買いに商店街へ。けれど80円で買えるものはありません。そんなとき、福引券を見つけて…。姉弟が母親を思う気持ちに胸打たれるだけでなく、子どもの正直でまっすぐな心を感じられるところもこのお話のポイント。読みながら目頭が熱くなってしまう、ハートフルストーリーな絵本です。
ゆきの日 ーon Christmas dayー
作・絵:菊田 まりこ/出版社:白泉社
「ゆきの日 ーon Christmas dayー」(絵本ナビ紹介ページ)
ある朝目が覚めたら外は雪景色。「ああ雪かきしなきゃ。電車も遅れそう。いろいろ面倒だなぁ」とガッカリしたことのある人はいませんか? 子どものころは積もった雪を見た瞬間に歓声をあげたものなのに…。クリスマスの日に「ぼく」に起こった小さな奇跡は「忘れたくない気持ち」を思い出させてくれます。挿絵は水色と白のカラー展開でいたってシンプルですが、日ごろ肩にはいっている力をゆるく抜いてくれる良作絵本です。
今回ご紹介した絵本は世界観のある挿絵がどれも印象的です。そこに感じられる登場人物の想い。
大人だからこそ分かる切なさ、悲しさ、やりきれなさの中にじわりと心に染み入ってくる「いとおしさ」…。それに、ハッとさせられるような子育ての気づきが盛り込まれている絵本もありました。心に響くクリスマス絵本を、今年はぜひ堪能してみてくださいね。
データ協力:
絵本ナビ
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