グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

2017年2月7日 06:00
 

ちゃず ライター
ちゃず


■会社を辞め、アメリカへ行き、プロデューサーへ

ちゃず─アメリカへ行って、すぐ音楽を始めたんですか?

starRo─アメリカでIT会社に就職したんですが、最初の3・4年は生活するのに精一杯で、音楽どころじゃありませんでした。もう一度音楽を始めることになったのは、生活が落ち着いてきた頃。日本から遊びに来た友人と、たまたま見つけた音楽イベントに出かけたんです。

そのイベントは、いまや伝説となっているんですけど、本来裏方にいるプロデューサーたちがステージに上がって自分の曲を披露する、というもので。僕はその光景に衝撃を受けたんです。それで、もう一度ちゃんと音楽をやってみたいな、と。

ちゃず─プロデューサーが脚光を浴びる姿を見て、音楽への情熱を思い出したんですね!

starRo─それから、2011年の東日本大震災のとき、『PRAY FOR JAPAN~心を一つに~』というドキュメンタリー映画の楽曲を提供することになり、曲づくりにのめり込みました。仕事が終わってから朝の4時まで曲をつくり、3時間だけ寝て、また出社する、みたいな。

グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

ちゃず─すごくエネルギッシュ!

starRo─やっぱり、それまで我慢していたものがエネルギー源になったんでしょうね。曲をつくることが本当に嬉しかったし、楽しかった。

そして時代の流れもあり、インターネットのサイトに自作の曲を投稿するようになったんです。そうしたら、徐々に注目されるようになり、有名なレーベルから声をかけられて。以降、さまざまなイベントに呼ばれたり、アーティストから楽曲提供の依頼が来たり、と音楽活動に時間を費やす日々に。

会社との両立が難しくなり、会社を辞め、本格的なプロデューサー生活が始まりました。

■starRo流の子育ては、“嗅覚”を身につけさせる!?

ちゃず─現在は、3人のお子さまの父親でもあるstarRoさん。お子さまたちも音楽に興味をもっているのでしょうか。

starRo─そうですね、上の2人はいまピアノのレッスンに通っています。最近は練習を嫌がっていますけど(笑)。

ちゃず─もし、お子さまが音楽の世界を目指したいと言ったら、starRoさんは反対しますか?

starRo─反対はしないですよ。ただ、一番得意なことを仕事にしてほしいとは思いますね。“好き”と“得意”は違いますから、そこを見極める“嗅覚”を身につけてほしい。「No.1になれるものをやりなさい」と、子どもたちにはいつも言っています。

グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

ちゃず─「これをやれ」と指示するのではなく、お子さまたち自身が各々の得意なものに気づくのを見守る、というわけですね。

starRo─僕はツアーの仕事などもあって、いつも家にはいられないので、子どもたちには、僕の背中を見て学んでほしいとしか言えません。

自分が子育てをしてわかったのは、親が子どもをコントロールすることはできないということ。僕も、両親から好きなことを仕事にするより、安定した職に就くよう育てられましたが、結果的に違う方向に来ちゃいましたから。

僕は「人は誰でもそれぞれの使命をもって生まれてきてる」と思っていて。子どもたちも、たまたま僕のところに生まれてきてくれただけで、それぞれの使命をもっている。その使命が何なのか、自分自身で気づくことが大事なんです。

ちゃず─得意なことを見極める嗅覚や、自分自身で使命に気づく力を身につける。それって、とても難しいことですよね。

starRoいろいろな経験、出会いを重ねることが必要なんだと思います。そうして視野を広げ、全体を俯瞰するなかで自分をブランディングするというか。

例えば、サッカーなら、いきなり試合に出るよりも、控えで試合全体を見て、自分なら何ができるか考えるとかね。自分が気持ちいいと感じたり、自分らしくいられたりするポジションを見つけることから始まるんじゃないかな。

グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

僕の場合は、それがアメリカのロサンゼルスでした。自分らしくいられる環境に住んだことで、音楽をもう一度始めることになり、評価してもらうことができた。だからこそ、子どもたちにも、自分らしく生きられる居場所を見つけ、自信をもって生きてほしいんです。

ちゃず─starRoさんとお話ししている間、「starRoさんはグラミー賞にノミネートされたのに、とても落ち着いているな」ってずっと思っていたんですが、その理由がわかった気がします。もともと芯のある方なのだと思いますが、さらにいろいろな経験を重ねてきたからこそ、どっしりと構えていられるんですね。

starRoさん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

starRoさんのお話を聴いて一番驚いたことは、大好きな“音楽”と離れている時期があったということ。その間に感じた「音楽をやりたい!」という強い気持ちが、その後を支える大きなエネルギーの源になったんですね。であれば、やりたいことから離れる時期も、人生において大切なんだとわかります。

ヒヨっ子ちゃずは、これまで、「やりたいことはすぐにやる!」が正解だと思っていたんです。でも、starRoさんのお話を聴いて、それだけが正解ではないと学びました。やりたいことばかりでなく、いろいろな経験をするなかで、「楽しい」「つまらない」を感じる時間こそが、自分のポジションを見極めるために必要な時間なのかもしれませんね。

グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

starRo ALBUM『Monday』 /1,980円(税込)/TOY’S FACTORY MIYA TERRACE



グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

グラミー賞2017ノミネート日本人プロデューサーstarRo 【ゆめを叶えた大人の子ども時代、ヒヨっ子ちゃずのイラストインタビューVol.3】

取材:イラストレーターちゃず  文:馬島利花 

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