俳優・桐谷健太さん 単独インタビュー!「かもめ食堂」荻上監督の最新作「彼らが本気で編むときは、」で描かれた家族愛のカタチ
©2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
―― 桐谷さんも、マキオになりきってリンコさんを受けとめていらっしゃいました。
「マキオはきっと、お父さんが出て行ってからすごく傷ついて、お母さんももちろん荒れただろうし、その中で、女の人の怖さとか弱さとか嫌なところもいっぱい見てきて、もしかしたら、自分はもう誰かとおつきあいすることはないかもな…、ってあったと思う。
そんな中、自分の想像を軽く超えた美しさに出会ったわけなんですよ。リンコさんとの出会いって、それまでは白黒だった世界がカラーになったくらいのこと。自分の人生を、輝く方向に変えてくれた人なんですよ。
彼女がトモの母親になりたいって言った時、最初はびっくりした部分もあったかもしれないけど、でもマキオは揺るがず、この人が幸せなら、と思っただろうし。自分の人生を、丸々変えるような出会いだったわけですから」
―― トモを一人置いて出ていってしまうお姉さんについては、どう思われますか? 『私は母親である前に、一人の女よ』という台詞がありますが…。
「マキオから言わせてもらうと、お姉ちゃんの気持ちもわかるんですよね。
だから、マキオは、大声で怒鳴ったりしないし、ボソッと『トモは、コンビニのおにぎりが嫌いなんだ』っていうような言い方で、相手に伝えようとする。それはきっと、マキオが痛みを優しさに変えることができた人だから。
お姉さんはそうじゃなかった。でも、お姉さん役のミムラちゃんも言ってたけど、お姉ちゃんにもマキオのような男性がいてくれたら、そうはなってなかったと思うと。だから、単純にアカンとかって言えない。
そりゃ自分の子供なんやから、一緒にいてあげるほうがいいに決まってる。そういう人を見ると、俺は感動する。家計や精神的とかも大変やけど、
子供をグッと支えてる人を見たら、ええなあって思う。
そんな人に、俺は感動するわけですよ」
©2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
―― 桐谷さんご自身は、どんな家庭が理想ですか?
「明るく楽しく、思ったことはちゃんとみんなで言い合うような…。みんなが、最初からデッカイ木を望んでるんじゃなくて、芽から育てていくのを楽しんでいけたら、そう、愛情の過程もじっくり楽しんでいけたらいいなあ、と思いますね」
テレ臭そうに、そう語ってくださった桐谷さん。長身でたくましく、でも、繊細な感性で穏やかに包み込まれるような雰囲気は、“ダンナにしたい!”と、この映画からさらに人気急上昇中。
“普通の男”の魅力を余すところなく描ききった、桐谷さん演じるマキオに、今すぐ会いに行ってください!
第67回ベルリン国際映画祭 テディ審査員特別賞受賞
(パノラマ部門、ジェネレーション部門 正式出品作品)
「彼らが本気で編むときは、」
脚本・監督:荻上直子
出演:生田斗真、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、柏原収史、込江海翔、りりィ、田中美佐子/桐谷健太
フードスタイリスト:飯島奈美
配給:スールキートス
http://kareamu.com/
2017年2月25日(土)から全国ロードショー
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