どこに建てる? 誰が負担する? 親が元気なうちに話しておきたいお墓問題
■お墓の管理費はどのくらい? 誰が負担する?
「うちの父はまだ現役で働いています。それでも、孫ができてからは自分が死んだときのことを考えるようになり、『先祖代々の墓に入れてくれればいいから』が口癖に。お墓があるのはいいけれど、お寺の場合は年間10万円くらいかかるという話も聞くし、一生払い続けていく自信がありません」(32歳・Hさん)
このお墓にはすでにHさんのお母さんが眠っていることもあり、同じ場所へと考えているとのこと。現在はお父さんが墓を管理しているので、実際にかかる費用は聞いていないそうです。
お墓は場所を借りて建てていることが多いため、管理費などがかかるものです。公営墓地なら年間1万程度の場合もありますが、寺院は価格がバラバラなので、事前に確認しておきましょう。
その金額が生活を圧迫するほどなら永代供養も考えたいところですが、墓じまいをするにも墓石の撤去などでお金がかかります。この費用をだれが負担するのか、家族で話し合いうといいですね。
このとき、片方の親が存命中はもめることが考えられます。「お金がない」というだけでは感情的になりやすいので、子どもの進学費用や結婚資金などを理由に、あくまで「相談」という形をとるといいかもしれません。
■自分たちのお墓はどうする?
「私たち夫婦は地元が同じですが、故郷とは遠いところに家を買い、ここで一生暮らす予定です。両親はそれぞれ先祖代々の墓に入るだろうけど、自分たちもそこに入れば、いずれ子どもたちに負担をかけてしまいます。新たに墓を買うべきか、悩むところです」(59歳女性・Tさん)
まだまだ先のこととはいえ、老後のことを考えるようになったTさん。どの墓に入るにしてもお金が必要になるので、積立貯金を始めたそうです。
また、子どもたちの気持ちも大事だと考え、お墓について話し合う機会を作ったところ、「母さんの好きなようにして」と言われたそう。ただし、まだ独身だからそう言えるのかもしれないので、子どもが結婚したときには改めて話し合おうと考えているといいます。
「お墓の話なんて縁起でもない!」と言われてしまいそうですが、実際にはとても大事なこと。親が病気になってしまえば聞きづらいこともあるため、元気なうちに話し合いをしたほうがいいでしょう。
親世代は先祖代々の墓に入ることが当たり前と思っている人が多く、それとは違う提案には納得しないかもしれません。しかし、形式が変わっても大事なことは故人を弔う気持ちではないでしょうか。
親を大切に思うからこそ、しっかり考えていきたいと意志表示することを忘れずに。また、すぐに結論が出る問題ではないので、時間をかけて話し合っていきましょう。
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