羽田空港で働くカリスマ清掃員、新津春子さん。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも登場し、新津さんが特集された放送回は、2015年度の最高視聴率を記録しました。
2013年、2014年、2016年、2017年と羽田空港が
「世界一清潔な空港」に選ばれたことにおける功労者のひとり。現在は環境マイスターとして、約500人いる清掃員を束ねるリーダーです。いわば
「世界一の清掃員」である新津さんの自宅でのお掃除術とは、どんなものなのでしょうか?
新津さんのベストセラー書籍
『“世界一”のカリスマ清掃員が教える 掃除は「ついで」にやりなさい!』から、目からウロコの掃除のコツやポイントをいくつかをご紹介します!
■“ついで掃除”こそ家事の基本!
がんばろうと気負いすぎても続かないのが日々の掃除。新津さんは本の中で、掃除を気軽に楽しく続けるための6つの心がけを提案しています。そのひとつが本のタイトルにもある
「ついで掃除」です。
掃除の仕事をはじめる前は、掃除ギライだったという新津さん。本でも次のように書いています。
「家じゅうを毎日ちゃんと掃除するなんて、清掃のプロの私でも無理ですし、“わざわざ掃除”じゃなくて、“ついで掃除”こそが家庭の掃除のキホンだと思っています」
毎日の掃除は、「見えるところ」や「触れるところ」だけやれれば十分だそう。ポイントは、汚れやすい
「普段から通る場所」とホコリが落ちやすく手アカなどもつきやすい
「目線より低い場所」を掃除すること。具体的には、パパの出勤を見送りながらタオルで廊下や階段の手すりをサーッと水拭きしたり、歯を磨きながら洗面台の鏡を乾拭きしたり…。
なにかのついでに、ササッとやるだけでOKなのです。
そのためには、掃除用具をすぐに手にとれる場所に置いておくことも大事。30秒くらいの短い「ついで掃除」でも、積み重ねると部屋はきれいに保てるといいます。
■道具は極論、タオル1枚でもOK!
空港では、多くの洗剤を使い分けて掃除をしている新津さんも、自宅には汎用性のあるいくつかの洗剤と道具があるだけ。「極端な話、一般家庭なら、タオル1枚あればだいたいの場所はきれいになる」そうです。
基本の拭き掃除には、使い古した綿のタオルを使用。
「折り方」「持ち方」「絞り方」に注意すれば、掃除の効果が格段にアップします。
●ムダなく面を使えるタオルの折り方
折り方は8つ折りに。
表裏16面できるので、1面ずつ使っていけば、掃除の途中で洗い直したり、たたみ直したりする手間がぐっと短縮できます。
タオルを広げて両端の上部をそれぞれつまんで持ち、横に2つ折り→横に2つ折り→縦に2つ折りで完成。手のひらサイズの長方形になります。
●一度できれいに拭けるタオルの持ち方
拭く場所によって持ち方も変えると効果的。平面を拭くときは、できるだけタオル全体に力が均等にかかるようにすると、無理なくムダなく拭けます。
8つ折りにしたタオルの全体に手のひらをのせ、親指で端をしっかりはさみます。手のひら全体で拭けばタオルが途中でくずれません。
●ダラダラ水がたれない! タオルの絞り方
気をぬいて適当に絞ると、拭き残しがでたり、水跡がついたりするので、水気をしっかり絞り切る「かた絞り」をします。
タオルをもみ洗いしたら、基本の8つ折りをさらに横に追って16折りにして絞ります。バットや竹刀を握りしめるイメージで、両手が横並びではなく前後になるように持つ。
タオルを必要なかたさに絞り終わったら8つ折りに広げ、手の甲についた水分を拭けば完了。床に水滴を落とさないように注意。