「ディズニー/ピクサー」で働くママの理想と現実 映画『カーズ/クロスロード』Vol.2
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『カーズ』(06)でアート部門マネージャーを務め、最新作
『カーズ/クロスロード』では共同プロデューサーを務めた
アンドレア・ウォーレンにインタビューしました。
『カーズ』シリーズはファミリー映画としても人気を博してきましたが、アンドレアも一男一女の
母親であり、本作には
「親目線からのメッセージ」がたくさん込められていると話します。
物語の主人公はトップレーサーとして活躍してきたスポーツカー、
ライトニング・マックィーン。しかし、レース中にまさかの大クラッシュ事故を起こし、自信を喪失してしまいます。そんななか出会うのが、女の子なのにマックィーンに憧れ、レーサーを目指していたという
クルーズ。
本作では、
人生の岐路(クロスロード)を迎えたマックィーンの葛藤や挫折からの再生はもちろん、新しい相棒となるクルーズをとおして夢を追うことの大切さも描かれていきます。
■子育ての体験談が『カーズ』の物語に生きている!
プロデューサーであるアンドレアもブライアン・フィー監督もお子さんがいます。そんな二人がタッグを組んだとき、子育てで起きる体験、そして子どもへのストレートな想いが込められたといいます。
「子どもたちには、将来に向けて大きな夢を抱いてほしいし、
何にでもなれるという自分の可能性を信じてほしい。私もブライアン・フィー監督にも子どもがいますが『子どもたちは
自分たちの限界を定めてしまいがちだよね』という話になったことがあります。
たとえば監督がお嬢さんに『ギターをやってみない?』と提案したら、お嬢さんから『やらない。だって男子がやるものでしょ』と言われたそうです。彼女は頭の中で、女子はギターを弾かないと決めつけてしまっている。でも、クルーズの姿を見て、やりたいことがあれば、
男女関係なくチャレンジするという心意気を持ってほしいと思いました。
自分の夢をあきらめてしまうことは確かにつらいこと。でも、恐れをのり超えて、自分の限界までやってみれば、きっとそこで何かが見えてくるのではないかしら」
アンドレアのお子さんはすでに本作を観て、とても喜んでくれたそう。「実際、親が直接子どもに何かを言うよりも、映画で同じことを言ってもらう方が伝わりやすいんです。子どもに
『夢を追いなさい』と頭ごなしに言ってもダメ。そういうところを含め、
子育ての体験が物語に反映されていると思います」
日本のアニメでは宮崎駿監督作が大好きで、なかでもいちばんのお気に入りが
『となりのトトロ』(88)だとか。
「子どもと一緒に映画を観ることで、最高なのは子どもたちと
いっしょに学べることです。長女が小さいとき、ビーチで波をとても怖がっていたのです。でも私が、『トトロのように叫ぼうよ』と言って『わ~』と叫んだら、娘はその怖さを乗り越えることができたんです。
それからは、何か怖いことがあると、トトロのように叫ぶようになりました(笑)」