夏休みの宿題の中で特に気が重くなりがちなのが、
読書感想文。「何でもいいからさっさと書きなさい! 」と、休みの終わりごろに子どもに無理矢理書かせるパターンを、今年こそ脱したいと思いませんか?
情報化社会で生き抜くための独特な
情報編集術を、ネット上で教えている
イシス編集学校。固定観念にとらわれず、自由な発想を引き出す術を教えてくれると評判の高いこの学校が、子ども向けのワークショップ
『大好きな本の伝えかた 読書感想文の編集術!』を開催していました。筆者も親子で早速参加して、ヒントを学んできました!
オリジナリティあふれる読書感想文を書くポイントは、
「出す」「選ぶ」「分ける」「つなげる」の4つの工程だといいます。詳しくご紹介しましょう。
当日は読書好きの親子が約20組集まり、6万冊の蔵書がある空間「本楼」で、熱心に講座を受けた。
■まずは本を好きになるヒント!
「誰かに似た本」を探してみる!?
以前こちらの講座を受けたことのあった筆者は、小6の長女を連れて参加。古典的な名作は一切読まず、今どきの軽めの本ばかり読む長女がイシス編集学校でどんなことを学ぶかと楽しみでした。
ウォーミングアップは、「
誰かに似た本を部屋いっぱいの蔵書から
3分で探す」というもの。
「本が誰かに似るってどういうこと?」と頭がかたくなりかけてとまどう長女の横では、自由な発想で楽しそうに本を探す子どもたち。本は中に書かれている文字や内容だけではなく、表紙の色や文字、触った感じなどいろいろな情報を伝えているものであることを感じる試みのようでした。
子どもたちは自由な発想で「誰かに似た本」を探す
「花が好きな母親に似ている」と草の絵の表紙の詩集を選んだり、「青い空の表紙写真が親友のイメージにぴったり」とおのおのの感性で選んでいました。本嫌いな子どもも、このように本の違う面に注目したり、もっと自由に本を楽しんだりしていいと思ったら本が好きになるのかな、と感じました。
■コツ-1:
「出す」―発想を広げるキーワードとホットワードを出す
続けてキーワードを聞いてどんなことが思い浮かぶか
発想を広げる練習。
1つの事柄から思い浮かぶことを書き出してみる
「りんご」のキーワードからは「甘い」「赤い」などの形容詞から、「アダムとイブ」「白雪姫」「ピコ太郎」までありとあらゆる思い浮かぶ言葉をどんどん書き出してみます。キーワードから思い浮かぶそれらの言葉を
「ホットワード」と講座では呼んでいました。
読書感想文を書くにあたっても、その方法を使います。読んだ本の中の好きな登場人物や好きな場面などをキーワードとして選び、そのキーワードから思い浮かぶ「ホットワード」をどんどん書き出してみるのです。
ポストイットを使うと後で並べ変えに便利
「この子のここがかっこよくて好き」「この場面が好きな理由」「この場面を読んでこんな気持ちになった」など、ホットワードはなんでもいいのです。
■コツ-2:
「選ぶ」―「誰に伝えたい? 」出したホットワードから選別
次に大切なのは「誰に伝えたいか」
テーマを決めること。たくさん出たホットワードの中からテーマに合ったものを選びます。
例えばりんごの説明であれば、「りんごを見たことのない人」と「りんごが大嫌いな人」に伝える時では、選ぶ言葉が変わるでしょう。りんごを食べたことのない人には「赤い」「甘い」など特徴の説明が必要ですし、嫌いな人には「火を通すと食感が変わる」など説明したくなるかもしれません。
読書感想文でも同じ。
「誰に伝えたいか」を決めると、
「何を伝えたいか」が思い浮かびます。
「この場面のことを先生に一番伝えたい」「読んでワクワクした気持ちを友達に伝えたい」などとテーマを決め、書き出したホットワードの中から合うものを選んでいきます。
■コツ-3:
「分ける」―伝えるためには順番が大事なポイント
作文のカギとするホットワードを選んだら、次に決めるのは「人に伝えるための
順番」。
講座では4コマのイラストを並べ変えてストーリーを作るという作業を通して、並べ方次第でストーリーも印象もまったく変わるということを体験してみました。
同じ4つのイラストを使っても、順番を変えるだけでストーリーが変わる
ついつい同じような書き出しにしがちな読書感想文も、順番を考えて言葉を並べ変えるだけで、内容も印象もグンと変わりそうです。