なぜSMAPに「ありがとう」を送り続ける? メンバーが解散に口を閉ざすワケ
9月8日、ジャニーズ事務所から
稲垣吾郎、
草なぎ剛、
香取慎吾が退所した。彼らの番組の継続、終了などは報じられているが、実際にどこの事務所に所属し、今後どういった活動を行っていくのかはまだ不透明だ。
そして翌日
9月9日は、
「SMAPデビュー26周年」の日だった。昨年、SMAP解散が報じられるなか、ファンは9月9日をせいいっぱいお祝いしてきた。そしてそれは今年も変わることなかった。なぜファンは、「どうして解散するのか?」と投げかけるのではなく、いまも彼らに「ありがとう」を送り続けるのか。
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■SMAPが解散理由で「無言」を貫くワケ
SMAPは、昨年から現時点までも解散理由について口を閉ざし続けている。あらゆるメディアがその理由や憶測を流し続けているが、それが真実かどうかすらいまもってファンには伝わってきていない。
もちろんファンから「解散しないで!」の声は多くあがった。でも2016年内の解散が決定的となった昨年8月以降、ファンの声は
「ありがとう」へと大きく変わっていった。
SMAPは感情を表に出さないグループではけっしてない。喜び、つらさをファンと分け合ってきたグループである。もちろん本質的なところでの苦労、苦しさを出すことはないだろう。でも感情があふれたときには正直に伝わってきていた。
たとえば『SMAP×SMAP』番組で放送された5人旅中のカラオケ中に
「BEST FRIEND」を歌いながら中居正広が涙を流すしたことがニュースでも流れた。しかし中居は過去にも「BEST FRIEND」で泣いたことがある。
一度目は、森且行がSMAPを脱退する最後の『SMAP×SMAP』収録。涙が止まらない中居の代わりに、木村拓哉が急きょ進行を行った。さらにメンバーのピンチが起こった後のライブ最終日に流れた「BEST FRIEND」では最初に中居が泣き始めると、メンバー全員に伝染し、涙ながらの合唱となった。
木村結婚報道直後に行われたライブ。そのときもメディアでは大きく「SMAP解散」が報じられていた。でもライブでは中居が「朝、新聞広げたら『SMAP解散』ってあって、俺だけ知らないの? って思った」と言いながら、言外に解散を否定し、ファンを安心させてくれていた。
SMAPはいつもファンに誠実であり続けた。その彼らが最後に選んだものが、ラストコンサートでもなく、解散記者会見でもなく、「無言」だった。
SMAPがファンのために最後にしてくれたことがこの
「無言を貫く」ことだったのであれば、ファンが彼らに答える言葉は、これまで苦しいときうれしいとき一緒に歩んでくれたSMAPに対しての
「ありがとう」になる。