連載記事:【親子で楽しむ絵本の時間】
目で見て、耳で聞いて、食べてにっこり。秋のおとずれを感じられる絵本【親子で楽しむ絵本の時間】 第22回
■ナミチカのきのこがり
作・絵:降矢 なな/出版社:童心社
「ナミチカのきのこがり」
おじいちゃんと一緒にキノコ狩りに出かけた女の子・ナミチカ。いろいろな形のキノコに興味津々のナミチカは、自分の帽子とそっくりの小さな赤いキノコを発見! 感激しているうちに、いつしか不思議な世界へと迷いこんでしまい…。読んでいるうちにひきこまれ、まるで異国の森で魔法にかけられている気分になります。現実にもどって不安なナミチカのもとへ、おじいちゃんがかけよりギュッと抱きしめる場面にはジーンときてしまうママも…。キュートなキノコたちとちょっぴり怪しい世界。それに、おじいちゃんの優しさ。スロヴァキア在住の作者の実体験も盛り込まれているというこの作品には、さまざまなメッセージが込められていそうです。
■四季のえほん あきですよ
作:柴田 晋吾/絵:津田真帆/出版社:金の星社
「四季のえほん あきですよ」
秋の到来をまちわびているのは、私たちだけではありません。ページをめくるたび、秋がきた喜びを感じる生きものたちに出会えるのがこちらの絵本。繰り返される言葉をゆっくりとかみしめながら、秋の魅力を存分に感じられます。深く色づいた木々の葉、空を泳ぐ赤とんぼ、黄金色に輝く田んぼで実る稲。毎年おとずれることもあって「秋らしい」とひと言で片付けてしまいがちな風景も、言葉にしてみると心が落ち着いてきますね。絵本を読んだママからは「特に黄色のバリエーションが豊か。配色も美しくてうっとり」「日本の四季を存分に楽しめて幸せな気分になる」なんて感想も寄せられている、季節の恵みを感じる一冊。
■しきしきむらのあき
作:木坂 涼/絵:山村 浩二/出版社:岩波書店
「しきしきむらのあき」
春夏秋冬のシリーズものとなっているこちらの絵本では、とんぼの姿やコスモスが広がる風景、柿にぶどうなどたっぷり実ったくだものを楽しむ「しきしきむら」の様子に秋の楽しみ方を教えてもらうことができます。短く、リズム感のある文章と、弦楽器で演奏を披露するキャラクターたちがなんだかおしゃれ! ほかの季節も読んでみたというママからは「どの季節もいちばんだねっていう結論になります」という感想が寄せられています。「楽しかった秋を思い出して、秋がくるのが楽しみになる」という人もおり「秋って楽しいもの」というイメージをお子さんが持つキッカケになってくれる絵本かもしれませんね。
秋は一年のなかでも季節の移り変わりをしみじみと深く感じられる季節ではないでしょうか。四季のある日本ならではの趣を、いろんな角度から楽しんでみてくださいね。
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