NHK大河ドラマ『真田丸』の
堺雅人が、『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズや『永遠の0』(13)の山崎貴監督の最新作
『DESTINY鎌倉ものがたり』に主演。しかも
高畑充希とかなり年齢の離れた夫婦役で初共演しています。
本作は、古都・鎌倉を舞台にしたファンタジーで、人間だけでなく幽霊、物の怪、魔物に妖怪、神様、仏様、死神、貧乏神などが住んでいます。堺さんが演じるのは、鎌倉で起こった殺人事件の捜査協力をするミステリー作家の一色正和役。高畑さんは新妻・亜紀子役を演じました。堺さんに年の差カップルを演じられた感想、久々の映画出演についてお話を伺いました。
■大きな世界のなかの小さな夫婦の物語
主演を務めた堺雅人さん
――初の山崎組に参加されてみていかがでしたか?
物語のなかで、いわばホスト役の夫婦である僕と高畑さんが山崎組初参加で、堤真一さんらゲストの人々が山崎組の常連という不思議な逆転現象が起きていました。だから一色家の屋敷からクランクインしたのがありがたかったです。腰を据えて、常連の皆さんを迎えられた気がします。スケジュールに感謝ですね。
© 2017「DESTINY鎌倉ものがたり」製作委員会
監督のお人柄のせいか、とても温かい現場でした。現場にいらっしゃる山崎組常連の方々も、やさしい方ばかり。だれが現場を引っ張ってるのかわからない、ふわっとした居心地の良さがありました。その“ふわりとした感じ”は一色正和のキャラクターのようで、演じる上でも良かったかなと。
――4年ぶりの映画出演ですが、久しぶりの映画の現場はいかがでしたか?
じつは、4年ぶりの映画ということはあまり意識していなくて。ただ始まるときに思ったのは、クランクインが久しぶりだということでした。大河ドラマの現場が長かったせいか、新しく始まるのはこんな感じだったのかと、新鮮に感じました。新しい現場が始まるのは楽しいな、でも怖いなとあらためて思いました。
――『DESTINY鎌倉ものがたり』の脚本を読まれてどんな感想を持ちましたか?
大きな物語だけれども、よくよく読んでみると
「夫婦という小さな単位の話」なんですよね。大きな世界の中で起こる小さな世界の話というギャップがおもしろく感じました。まずは、
「妻との関係」をしっかり演じていくことが、作品全体として大事なところなんだろうと思いました。
作品の規模や上映館数などはまったく考えていなかったのですが、できあがってみれば超大作でした。
小さな劇場で高畑さんとふたり芝居をやっていても、同じくらいの楽しみ方ができたんじゃないかという物語で…。シンプルな物語だし、まるで絵本をめくるような風合いの映画だと思います。
■年の差妻の高畑充希とのラブラブについて
© 2017「DESTINY鎌倉ものがたり」製作委員会
正和は、無邪気で朗らかな亜希子をやさしく見守ったり、ときには彼女にわがままを言ったりと、
“新婚夫婦あるある”のエピソードが作品の中にはいっぱい登場します。
――高畑充希さんと夫婦役での初共演はいかがでしたか?
高畑さんは同じ時期にNHKの隣のスタジオ(高畑充希さんは朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に出演)にいらしたので、廊下でときどきお会いする機会がありました。「いつかご一緒したいですね」と言っていたら、今回初共演できることになってうれしかったです。
彼女は撮影当時、まだ24歳で、僕とはずいぶん年が離れていたのですが、なぜかよくわからないけど、同僚か先輩くらいの気持ちで、すごい信頼感を勝手にもっていました。
あとから聞いたら、現場での彼女はすごくビクビクされてたそうで。たしかにキャストは全員ベテランでそうそうたるメンバーだったので、そりゃあ緊張するよなあと。
もっとやさしくするべきだったなとあとから思いました。
――年の差夫婦ならではのやりとりがおちゃめで可愛かったです。
頭から順番に撮っていったのですが、山崎監督から「はたから見て恥ずかしくなるくらい
イチャイチャしてください」と言われまして、そこは面食らっちゃいました(笑)。でも、できあがった映像を観たとき、山崎監督から「そのラブラブさが良かった」とおっしゃっていただけたので、僕もそういうふうに演じられて良かったなと思いました。
――高畑さんも妻としていろんな表情をされていましたが、実際に間近で演技をされてみていかがでしたか?
前半はかわいいけど、後半では正和を守ろうする力強さがあり、生命力にあふれていました。おそらく高畑さんとじゃないと、できない夫婦役だったんじゃないかと思います。
でも、また次にお会いするときはぜんぜん違う高畑さんになっているのだと思います。そのへんの底知れなさも含めて、高畑さんの全貌が見えなかったです。
いちばんの妖怪は高畑さんかもしれない(笑)。まだまだこんなもんじゃないと思っています。