毒親ドラマが続々と登場した2017年 あなたは毒親じゃないですか?
その後、自分を守るために腕を負傷し障がいが残ってしまった母親への罪悪感から、一緒に暮らすことをやめられなかった日向。社会人になっても毒親からの支配は続きます。「あ~いやらしい。ママに隠れてこそこそ恋人作って」。日向に恋人がいることを知らされていなかったと気づいたとき、大きな声で言い捨てた言葉です。
母親は娘とは良好な親子関係を築けていると信じており、日向の心の傷については理解がありません。感情の起伏が激しく、気に入らないことがあると、とげのある口調で日向を攻め立てるのです。
やっとできた毒親からの卒業は29歳
エンディングで日向は、母親の呪縛から卒業を遂げます。
12歳でやめた交換日記の返事を29歳になった主人公がようやくできるのですが、その言葉が印象的です。
「私は大きくなってもお母さんの娘です。でも、ずっとお母さんのためだけに生きることはできません。
……明日の約束 私は、私のために生きていきます」。
出典:ドラマ『明日の約束』
ずっと「ママの日向」でいることはできないと、母親に「NO」をつきつけた形になります。このメッセージを告げて、日向は家を出て一人暮らしを始めることになり、物語は終わります。
ありあまる愛情が引き金に…。毒親ドラマはまさに反面教師
ドラマの主人公・日向は29歳でようやく母親と決別することができますが、おそらく何歳になっても母親との問題に悩む人はいるのではないかと思います。
ありあまる愛情ゆえに、子どもたちの人生を知らない間に支配してしまう母親たち。このドラマはそんな母親に悩む人たちに勇気を与えてくれます。母親に支配されて生きるというのは、別の言い方をすると母親に守られて生きるということ。
それはとても苦しい反面、安定もしているため、逃げ出しにくいといえるでしょう。卒業するタイミングがなかなか見いだせず、何歳になっても母親に依存してしまう人は少なくありません。母親との関係性は非常に複雑なものです。
日向の母親は、自らが子どもにとって「毒親」にならないための反面教師でもあるように思います。筆者も2児の母ですが、愛情を掛けることは、子どもを支配して全部道を作って決めてあげることではないのだなと改めて気づかされました。
「私のために生きる」と宣言した主人公のように、子どもが子ども自身のために進んでいける道を応援する母親でありたいものです。
【参考リンク】
・『明日の約束』公式サイト
https://www.ktv.jp/yakusoku/index.html
※FOD、カンテレドーガで有料配信中
工藤静香『おじゃる丸』本人役で出演 “静香さま”役に「少し気恥ずかしい気持ち」