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頭のなかで考えていることは、現実世界でも起こりえるという「引き寄せの法則」をご存知でしょうか? 「こうなったらいいな」と日ごろから思い続けていると、それが現実化する法則で、実践している人も少なくありません。
なんだかスピリチュアルな話のように思えますが、実は、心理学的にもこれは理にかなっています。人は「こうなればいいな」と一心に思い続けていると、無意識のうちに自分の願いがかなう方向を選び行動するため、実現する可能性が高くなるとか。
けれど、その一方で「毎日こうなればいいと願っているのに何も変わらない」という人もいます。どうして、同じように思い続けているのに、願いがかなう人とかなわない人がいるのでしょうか? その理由のひとつに、
「ネガティブ思考は悪」という強い思い込みが邪魔をしている場合があります。
■「ネガティブ思考はダメ」という思い込みを捨てる
イヤなことがあった時、皆さんはどう感じますか? とことん落ち込む、気分転換をする、原因を考える…。人によって、いろいろな感じ方がありますが、なかには「そんなイヤなことなんて考えてはダメ。
いつもポジティブでいなければ」と考える人もいます。
ポジティブは「いつでも前向き」、反対にネガティブは「暗くて後ろ向き」。そんなイメージがありますよね。どちらがいいかといえば、ポジティブであるほうがいいに決まっています。しかし、人は「イヤなことを考えてはいけない」と思えば思うほど、実はそのネガティブな感情に
縛られ続ける生きものです。
「今の状況は理想ではない」→「やっぱりうまくいかない、ダメだ」→「いや、そんな風に思ってはいけない! ポジティブに考えなくては」と思うほど、「うまくいかない、ダメだ」と感じている部分が心の中でクローズアップされていくのです。
前述した願いがかなう人とかなわない人との
分かれ道は、まさにそこなのです。
ポジティブになろうとするあまり、ネガティブな思い(「うまくいかない、ダメだ」)をよけいに強化してしまっているのです。ネガティブな思いを無視して、「良いことだけ考えていればうまくいく」という
他力本願なポジティブ思考は、理想からどんどん離れてしまうのではないでしょうか。
この世にネガティブな部分がまったくない人はいません。後ろ向きなネガティブ思考を頭から否定するのではなく、その本質を見つめて
「仕方ないよね」と認めることが大切です。「私は今、ネガティブになっている」と認め、そこからどうするかを考えて、初めて次の一歩へと進めるわけです。
ネガティブになるのは仕方のないことで、必ずしも悪いことではない。「ネガティブ思考はダメ」という思い込みを捨ててみると、グンと気持ちが軽くなり、次のステップへ進むことができるでしょう。
■ネガティブになる状況「で、どうする?」が好転のチャンス
ネガティブになるのは現状を「良くない」ととらえられているからこそ。裏を返せば、ネガティブ思考になっている今は
「成長の伸びしろ」「成長するチャンス」と置きかえることもできます。
例えば、上司から「文句ばかり言われてイヤだなあ」と感じているとしましょう。
こういうタイプの人には、どう対応するのが良いのだろうと考え、少し対策を練ってみます。すると、その行動は少なからず自分の対人スキルにつながっていくはずです。
また、夫に対して「もっと仕事で成果をあげてほしい」と思うなら、どんなサポートが夫の意欲を引き出すのかを考えてみます。お茶でも出してゆっくり話を聞いてあげれば、気持ちに余裕を持ってもらえるかも。そう考えるだけで夫への接し方が変化し、夫婦関係の安定につながることもあるかもしれません。
逆に、「どうするか」の方法の一つに、この問題にこれ以上かかわらない、あるいは一定の距離や時間をおくという考えもあります。
待つ、逃げる、否定を認めるというのは、マイナスイメージを持たれがちですが、あくまでも手段のひとつ。
ネガティブな行動ではありません。