ネガティブだから願いがかなう? 心理学的「ネガティブ・ポジティブ」上手な付き合い方
■「自分に必要なものは何か?」ポジティブ思考との付き合い方
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ネガティブの逆といえば、ポジティブ。では、ポジティブ思考とは、どのように付き合っていけばいいのでしょうか? まずは第一に、「すべてにおいてハッピーに」を目指す必要はないと考えましょう。
例えば、誰でも他人からは「好かれたい、良い人と思われたい」と願うでしょう。でも、万人に対して「良い人」になるのは現実的にとても難しいものです。「誰にとって」良い人なのかによって、良い人の定義は
180度変わるからです。
例えば、先日亡くなった野村沙知代夫人を例に挙げてみましょう。悪妻の代名詞のように言われた彼女ですが、夫の野村克也さんにとってはまったく違いました。世界中が敵に回ったとしても、唯一自分の味方でいてくれる、かけがえのない存在だったのではないでしょうか。
同じように部下から「頼りがいがない」と思われていても、子どもから見たらとことん遊んでくれる「良いパパ」であったり、上司から「融通がきかない」と思われていても、友人からは「信頼できる良い人」と思われていたり。万人に良い人であろうというのは、無理が生じるわけです。
それは、ポジティブ思考にも通じます。100%ハッピーなポジティブ思考でいようと思うと、正直疲れますよね。自分は一番、
何に対してポジティブでありたいのか。そこさえおさえておけば、すべてハッピーを目指す必要はありません。自分にとって必要なものに、ハッピーであれば良いと私は思います。
■子育て・夫育てに応用できる「ネガティブ・ポジティブ」
自分の中のネガティブ思考、ポジティブ思考を見つめ、理解し、コントロールできるようになれば、子どもや夫との関係にも生かすことができるでしょう。
例えば、子どもには良い学校に進学してもらいたい、夫には出世してほしい、もっと夫婦仲を深めたいといった理想があるとしましょう。でも、今はその理想とはほど遠い状況。となると、不満は募りますよね。そういった場合、
「今は理想に向かっている過程、その途中にある」と見方を変えてみるのです。すると、未来を心配してネガティブ思考におちいる心配もありません。
逆に、「夫や子どもがネガティブ(ポジティブ)思考なんですが…」というご相談を受けることもあります。わが子が「どうせできないよ」「僕はダメなんだ」といったネガティブ発言が多ければ、まず「そうか、そうか」と受けとめてあげてください。そして「大丈夫」「私は応援するよ」と声をかけ、自信を持たせてあげてみましょう。
「私はいつでも
あなたの味方だよ」ということを伝え続けることです。
反対に「どうにかなるよ!」と常にポジティブ思考の夫というのも、逆に心配ですよね。「そうだね」「すごいね」と受けとめながらも「こうなる可能性もあるんじゃない?」と、それとなく
リスクや注意すべき点をあげましょう。夫の考えを否定せず、あくまでも一つの考え方として提案すれば、夫も受け入れやすくなります。その言葉に反応してもらえれば、思わぬ失敗を未然に防ぐこともできるかもしれません。
インスタグラムやブログなど個人発信のSNSなどを見ると、全員が全員、100%幸せでキラキラなポジティブライフを送っているように見えますよね。でも、見えているのはほんの一部だけで、実際はどうなのか誰もわかりません。そういった他人のキラキラアピールに飲み込まれて、不安になる必要はないのです。
ネガティブ思考は決してダメなことではなく、ポジティブとは
表裏一体。だから、どちらの思考にかたよっても、決して恐れる必要はありません。そう心の隅にとめておくだけで、ポジティブ思考に固執することも少なくなるのではないでしょうか。
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