連載記事:「崖っぷち家計」脱出法

「節約」ではお金が貯まらない!? 貯まる人が持っている“口座”が存在する【「崖っぷち家計」脱出法 Vol.3】

「崖っぷち家計」脱出法

「崖っぷち家計」脱出法

いまの家計が赤字になっているご家庭、そして今は大丈夫でも、将来にわたって崖っぷちとなりそうなご家庭など、お金に不安を感じる人は多いのではないでしょうか? そこでFPの私、楢戸ひかると「お金のことを考…

「崖っぷち家計」脱出法

イラスト:平松昭子


「わが家のお金の計画表」を作ったことで、人生の羅針盤ができあがりました。今回は、「未来にかかるお金」をどう準備していくのか? を具体的に考えてみます。家の購入費用、教育費など、金額が大きすぎて、「日常のお金」との距離感が、ハンパないですよね(笑)。

■人生の3大資金「住宅」「教育」「老後」

「お金のことが難しい」と思う人が多いのは、「考える分野がたくさんある」ことも一因です。住宅ローンや教育資金、はたまた保険…。これらを、どう組み合わせて、総合的な「わが家のお金のこと」を考えれば良いのか? 全体像が見えづらいのです。まずは、次の「お金の知識」のマッピング図を見てください。


●「お金の知識」のマッピング図
「節約」ではお金が貯まらない!? 貯まる人が持っている“口座”が存在する【「崖っぷち家計」脱出法 Vol.3】

出典:楢戸ひかる「お金のリビング」テキストより抜粋



最初に見ていただきたいのが、赤文字の「人生の三大資金」。これは、「住宅」「教育」「老後」資金の3つを指し、人生でかかるお金のうち、もっとも多額なもの3つと言われています。

これに、「車を買い替える」「家族で旅行に行きたい」といった夢をかなえる「一般貯金」を加えて、私は「人生を構築するお金」と呼んでいます。これらは、どれも大きな額のお金なので、長い時間をかけて計画的に準備する必要がある種類のお金です。

■家計費を節約してもお金は貯まらない

「節約」ではお金が貯まらない!? 貯まる人が持っている“口座”が存在する【「崖っぷち家計」脱出法 Vol.3】

© milatas - stock.adobe.com


「人生を構築するお金」は、「人生の柱」のようなイメージを持ってみてください。柱がしっかり立ってこそ、日常の生活が滞りなく送れます。「人生の柱」をしっかりと立てるために必要なことは、「人生を構築するお金」は、先取り貯金で貯めるということです。

多くの方は、家計費の余ったお金を貯めていけば、その先に「人生を構築するお金」が貯まっていく。
そんなイメージをお持ちのようですが、考える順番が逆です。

もう一度、「お金の知識」マッピング図を見てみてください。「使えるお金」から、「人生を構築するお金」を先にとりわけ、余った分を生活費にする。この順番を、頭や心で、しっかりとイメージしてみましょう。

■「貯金」と「生活費」の配分は?

「『人生を構築するお金』を先取り貯金で貯める」とお伝えすると、こんな疑問が出てくるのではないでしょうか?
お給料のうち、「貯金」と「生活費」、どう配分すればいい?
再度、お金のマッピング図を見てください。まずザックリ、「使えるお金」を、「人生を構築するお金(先取り貯金)」と「人生を回していくお金(生活費)」の二つにわけるとイメージします。「人生を回していくお金」とは、文字どおり、日々の生活を回すお金。いわば生活費です。


「節約」ではお金が貯まらない!? 貯まる人が持っている“口座”が存在する【「崖っぷち家計」脱出法 Vol.3】

出典:楢戸ひかる「お金のリビング」テキストより抜粋



マッピング図を見て、配分をイメージしてみると、またひとつ疑問が沸くと思います。
「使えるお金」って、なんですか?

これを説明しておきます。「使えるお金」とは、少し難しい言葉を使うと「可処分所得」のことです。給与明細を見て、次の計算式から割り出します。
使えるお金=(支払金額−源泉徴収税金−社会保険等の金額)

このほかに「組合費」など、「差し引かれることが自分ではどうしようもないお金」は、支払金額から引いておきます。一方で、「社宅の費用」「財形貯金」「保険料」などは、差し引かずに「使えるお金」に含めます


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