連載記事:親子で参加する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
全国20万学級が参加!「小学生が選んだのは?」知って得するマスコットの歴史【親子で参加する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 第2回】
ⒸTokyo2020
日本人選手が大活躍した2018平昌冬季オリンピック大会の記憶も新しいところですが、もう東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)開催まで2年を切りました。そんななか、競技大会の顔ともいうべきマスコットが、全国の小学生による投票で決定しました。
当たり前のように存在するオリンピックとパラリンピックのマスコット。知っているようで知らないその歴史から、新顔となる東京2020大会のマスコットにいたるまで、さらに楽しくなるマスコットのあれこれを紹介しましょう。
■オリンピックのマスコットが正式に誕生したのは46年前
公式マスコットが誕生したのは、1972年開催のミュンヘンオリンピック大会。ドイツ原産の猟犬・ダックスフンドをモチーフにした「バルディ」という名前のマスコットでした。忍耐力と柔軟性、スピード力を備え、見た目のかわいさも加わったマスコットにぴったりのキャラクターでした。
1972年ミュンヘンオリンピック大会のマスコット「バルディ」
ちなみに、1968年グルノーブル冬季大会で「シュス」というスキーヤーのようなマスコットも存在しましたが、これは非公式。
ミュンヘン大会以降、マスコットは開催ごとに必ず登場してきました。マスコットがPRの主体となることで、大人だけでなく子どもにも幅広くオリンピックをアピールでき、さらにライセンス商品の販売で大会の収益源になるなど、多大な役割を担っています。
人気のマスコットは、オリンピックの枠から飛び出して幅広く活躍することも。例えば、アメリカの国鳥・ハクトウワシをモチーフにした1984年ロサンゼルス大会の「サム」はテレビアニメにもなり、日本でも放送されたほどです。
左から1980年モスクワ大会「ミーシャ」(ヒグマの子ども)、1884年ロサンゼルス大会「サム」、1988年ソウル大会「ホドリ」(虎の子ども)
歴代オリンピックのマスコットは、主にデザインコンペや指名デザイナーによって作られました。自国を象徴するモチーフがしっかりわかるものから、個性的なものまでさまざま。
ここでは、主な夏季オリンピックのマスコットをご紹介しましたが、みなさんはどれだけ知っていますか?
記憶に新しい2016年リオデジャネイロ大会のマスコット「ヴィニシウス」(ネコ科の動物)
■東京2020大会のマスコットは小学生による投票で決定!
それでは、東京2020大会のマスコットはどうやって決まったのでしょうか。実は、コンペでも指名デザイナーでもなく、一般からデザインを公募。応募受付が開始されたのは2017年8月で、応募総数2042件のなかからマスコット審査会で選考が行われました。
審査のポイントは以下の通り。
・多くの人に愛される。
・東京や日本らしさを感じる。
・オリジナリティにあふれ、個性的。
・拡大・縮小してもデザインイメージの変化が少ない、など。
2017年12月に1次・2次審査を通過した最終候補3作品が発表され、小学生による投票がスタート。
最終候補に残った3作品。どれもかわいらしいデザイン ⒸTokyo2020
この初の試みとなる“小学生による投票”は、「子どもに愛されるマスコットを当事者である子どもたちに選んでもらうのがふさわしい」「東京2020大会に直接関わる貴重な体験ができる」という考えからクラス単位で投票が行われ、全国16,769校、約20万学級が参加しました。