はたきを使い始めて5年。掃除機をかける前にすべての窓を開け、家じゅうのホコリをはたき出すのが習慣になっています。パタパタという小気味いい音も心地よく、使うたびに清々しい気分になれます。
はたきが威力を発揮するのは、手の届かない
高い場所や本棚などの
でこぼこがあるところ。柄の先の布が空気を巻き上げながらしなやかに動くので、布が直接触れた場所だけでなく、その周囲のホコリまでキレイにはたき出してくれます。
我が家は棚に小物をたくさん飾っているのですが、小物を移動させて棚の上を拭く手間も省け、とても助かっています。
はたく時はパタパタと音がするくらい手首のスナップをきかせるのがコツです。シェードやブラインド、エアコンや冷蔵庫の上などもこまめにパタパタしておくと、モワモワとしたホコリも溜まらず、年末の大掃除もラクになりますよ。
はたきは、何度も仕立て直して着古した
絹の着物の
最後の利用法でした。昔はどこの家でも布を裂いて細めの竹などに束ねて結びつけ、作っていたそうです。絹は
丈夫で軽く、物を磨いたり汚れを拭ったりするのに適した素材。静電気も起こりにくいので、はたきにぴったりなのです。
家に眠っている、着古した絹生地の着物はありませんか? 古い着物を扱うお店でも、絹生地は手頃な値段で売られています。お気に入りの生地で「昔ながらのはたき」を作ってみましょう。作り方は大正生まれの96歳のお婆様から教わりました。だから「昔ながら」なのです。
■昔ながらの「はたき」の作り方
<材料>
絹生地(古いものでOK) 約36cm幅×50cm程度
細めの竹(ホームセンターで購入) 長さ60cm程度×1本
たこ糸 長さ25cm程度×2本
クギ 長さ2.5cm程度×1本
吊り下げ収納のためのヒモ 長さ25cm程度×1本
<作り方>
1、竹の先端から3cmほどのところにクギを打つ。
2、竹の反対側にも、下から1cmほどのところにヒモを通す穴を開けておく。
3、裁ちばさみで反物(約36cm幅)を約4cm幅に12~13枚切る。色や柄が違う布をミックスさせてもOK。
4、布に絵柄がある場合は、絵柄のおもて面を下に向け、少しずつずらして布を重ねる。
5、絵柄のおもて面を内側にして、重ねた布をクギの上から竹をグルリと囲うように覆う。
6、クギの下側で、たこ糸を使って布をしっかり蝶々結びする。
7、竹をひっくり返して布を返し、たこ糸を使ってクギの下側でしっかり蝶々結びする。
クギの上下をたこ糸で結ぶことで、勢いよくはたいても布がスッポ抜けることはありません。蝶々結びしておけば布が汚れたり破れたりしても、ラクに糸をほどいて布を交換し、使い続けることができます。
6、竹の穴に吊り下げ収納のためのヒモを通して、完成。
布は反物の横地にカットすると布端のケバケバが出にくくなります。できあがったばかりは布端がハラハラと舞い落ちることもありますが、次第にそれもなくなります。
軽い絹といえども重みがある生地もあるので、その場合はカット幅を4cmより狭くするか、布の枚数を12~13枚よりも減らすと、はたきの軽さをキープますので、好みで調節してください。
単一の布で仕上げても、数種類を組み合わせても、さまざまな色柄をミックスさせても、それぞれ味わいのあるはたきに仕上がります。
吊り下げて収納する時の姿も、なかなかの美しさですよ。もちろんこれは掃除道具ですので、どんどん使いましょう。使うほどに愛着が増し、家もキレイになっていきます。
※材料・作り方に変更があったため、2019年7月4日に記事を修正いたしました。
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