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視聴率も絶好調で、脚本家・北川悦吏子自らアクティブに投稿されているSNS効果も相まって、大いに盛り上がりを見せている朝ドラ
『半分、青い。』。「恋は盲目」とはよく言ったもので、
鈴愛(永野芽郁)と
涼次(間宮祥太朗)は出会って速攻で恋に落ち、トントン拍子で結婚に至りました。
当然のことながら、結婚してからいろんなものが見えてきて、いまや課題は山積み状態。結婚生活が障がい物競走と化しています。本作では、すいも甘いもいろんな夫婦像が描かれていて、結婚における幸せの価値観について、あらためて考えさせられます。
■人生崖っぷちの結婚はリスク!?
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同じ日に産まれ、青春時代をともに過ごし、ある時期まで密につながっていた鈴愛と幼なじみの
律(佐藤健)。彼の結婚の一報が入ったのは、鈴愛が漫画家として追い詰められているときでした。人生崖っぷち状態の鈴愛にとって律の結婚は、
今世紀最大のディープインパクトだったに違いありません。
そんななか鈴愛は、100円ショップの短期バイトで入ってきた涼次(間宮祥太朗)と恋に落ちます。もはや恋のブレーキが効くはずもなく、鈴愛は、涼次のバックグラウンドをなにも知らないまま見切り発車した感じでゴールインし、かなりリスキーな結婚生活が幕を開けました。
甘い新婚生活を送ろうとしていた鈴愛でしたが、ふたを開けてみたら、涼次が探してきた新居が彼の叔母・藤村三姉妹の家の離れで、しかもボロ家だったり、引っ越し資金を涼次が勝手に使い込んでしまったりと、ある意味、結婚の落とし穴が多数仕掛けられていました。
もともと何ごとにおいても見通しが甘い鈴愛ですが、人生において重要な選択である結婚についても「やってまった」感が否めません。よく「非常時の恋愛は長続きしない」と言われますが、はたして鈴愛はどうやってトラップを乗り越えていくのでしょうか?
■結婚にみる幸せの価値観の多様性
人は何をもって幸せと見なすのか? 『半分、青い。
』に登場する人々を見ていると、それぞれが求める幸せの価値観の違いが興味深いです。誰もが人生の岐路で、自分が良いと思う選択をしているはずですが、そこに見いだす価値観は十人十色です。
裕福ではない、けれど幸せな家庭を築き上げた鈴愛の両親・晴(松雪泰子)と宇太郎(滝藤賢一)。もともと持病で子どもが難しいと言われていた晴ですが、2人の子どもを授かり、いまやたくましくも良き母となりました。この晴のエピソードは、北川悦吏子自身の体験がベースになっているという声もよく聞きますが、非常に共感度の高いキャラクターとなりました。
また、夢に破れ、
結婚に安定を求めた鈴愛の親友・裕子(清野菜名)や、結婚せずに漫画家の道を極めた秋風羽織(豊川悦司)の人生観も興味深いです。
秋風はもともと人間嫌いで仕事一筋でしたが、気がつけば職場で疑似家族を作っていました。弟子である裕子を送り出すときは親代わりを務め、鈴愛の女としての幸せを考える親心も知らず知らずのうちに身につけていました。
また、裕子は結婚してから主婦としての幸せを手に入れ、ずっと疎遠だった親との関係性も、子どもを産んでから改善されたようです。
鈴愛のしっかり者の弟・草太(上村海成)は姉の結婚観について「姉ちゃんは
安定よりも夢を選んだんやと思う」と冷静に語っていましたが、鈴愛はまさに裕子とは真逆の選択をします。でも、考えてみれば、「夢に邁進(まいしん)していく」という鈴愛の生き方がぶれてない証拠なのかなと。
■鈴愛と律は将来的に結ばれるのか?
鈴愛が結婚式のメッセージビデオを観た時、親しい人々からの祝福のメッセージに感動しつつ、そこに「一番おめでとうと言ってほしい人」である律が参加していないことに気づき、しばし寂しさを覚えます。
これには、ずっと鈴愛と律を見守ってきた朝ドラ視聴者の胸はキュンと痛んだのではないでしょうか。鈴愛は涼次を愛しているけれど、やはり律とともに重ねた年月には勝てないのでしょうか? また、律においても、妻となったより子(石橋静河)との関係性がそこまでしっくり来てない印象を受けるので、今後の展開が気になるところです。
余談ですが、鈴愛と律が産まれたのは7月7日の七夕ですが、近所のスーパーで飾られていた今年の笹に「鈴愛と律が結婚できますように」という短冊を見つけました。自分のことではなく、ドラマの登場人物の幸せを祈った短冊を目にし、『半分、青い。
』のお茶の間の浸透度をあらためて実感した次第です。
今後、鈴愛の結婚生活がどう転んでいくのかは、神のみぞ知る、いや北川悦吏子のみぞ知るというところですが、鈴愛には持ち前のガッツで、常にひたむきに生きていってほしいものです。また、鈴愛と律の人生は再び深く交わっていくことは間違いないので、期待したいですね!
NHK連続テレビドラマ小説『半分、青い。』
(月~土)午前8時~8時15分
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