板谷由夏&ともさかりえ、子育てトーク。「あのときを集めてやり直したい」
■希望に満ちた高校時代と大人になった現在とのギャップ
キャリアウーマンでありながら、ひとり病に倒れた芹香。一方、夫と離婚し、アルコール依存で娘とも離れて暮らす心。2人はまったく別の道を歩んできます。
©2018「SUNNY」製作委員会
――芹香と心は、ある意味で真逆といえるキャラクターですが、演じた役柄に共感できるところはありますか?
板谷:高校時代の芹香は「結婚もしないで、バリバリ仕事をしたい」と言っていたけれど、あの頃の芹香には家族も友だちもいたんですよね。
でも、みんなと別れてから、家族もなくして一人ぼっちで働いていたことを思うと、すごく孤独だったんだろうなと思います。だからこそ「サニー」に会いたいと思ったんだろうし。彼女の背負ってきたものは大きいですよね。
私はあの役を演じて、「なにより健康が一番!」と本当に思いました。いまは役から離れて、俯瞰(ふかん)して見られるようになったけれど、彼女のことを考えるとすごく胸が苦しくなります。
ともさか:みんな、それぞれの苦しさがあるんだよね。
板谷:そうそう。20年、みんな生きてきた苦しさがあるからこそ、再会したときの重みが増すんでしょうね。
©2018「SUNNY」製作委員会
ともさか:私は、原作を見たときに「この役をやりたい」と思ったのが 、心(オリジナル版ではポッキ)という役柄だったので、演じられてうれしかったですね。
スナックのシーンを撮る直前に、大根さんが高校生サニーの映像を見せてくださって、それだけで胸がいっぱいになっちゃって。「こんなにキラキラしていたのに、うらぶれちゃってごめんね」って思いました。
でも、若い頃に思い描いていた未来や希望と、大人になってからの「全然こんなつもりじゃなかったな」というギャップは、大なり小なりみんなあるんじゃないかな。「大人になったからといって、大人になれるわけじゃない」という気持ちとか(笑)。
板谷:本当にね(笑)。
■板谷由夏がともさかりえに出産で相談!?
女優として輝き続ける一方で、板谷さんは10歳・6歳、ともさかさんは12歳の男の子を持つママ。そんなお2人の知られざる母の顔とは!?
――仕事をしながらの妊娠。当時の心境など覚えていらっしゃいますか?
ともさか・板谷:(目を合わせつつ、首を傾けて)う~ん…(笑)。
ともさか:由夏ちゃんが妊娠してるときに、私、会ったよね!?
板谷:会った、会った。りえちゃん家に遊びに行ったんだよね。
おいしいスパゲッティ作ってくれたの! 懐かしいね。
ともさか:ね、懐かしい!
板谷:出産のことをりえちゃんに相談しに行ったんだよね。あの子がいまは10歳だから…、もう11年くらい前になるんだね。
ともさか:早いね~、怖い怖い!
板谷:恐ろしいよね。だってりえちゃん家の息子くん、中学生でしょ?
ともさか:もう、中2だよ~。
板谷:ひゃ~、信じられない…。
ともさか:由夏ちゃんも、そのうち息子にすっごいキツいこと言われるようになるよ(笑)。
板谷:うそ!? 言われる?
ともさか:言われる、言われる。心折れそうになるもん。
板谷:ちょっと…いま泣きそうになっちゃった(笑)。
ともさか:まだ赤ちゃんのときは、もう一生ひとりで外には出かけられないんじゃないかと思ってたし、「ママ、ママ」って言われていたときには、それが一生続くんじゃないかくらいの気持ちでいたんだけど。
意外と過ぎちゃえばあっという間だったのかも。で、そうなると矛盾したことばかり考えちゃう。あのとき大変だと思っていたすべてのことを集めて、もう一回やり直したいって思っちゃう(笑)。
板谷:わかるー! うちはまだ下の子がいるけれど、大きくならないで、時間が止まってほしいって思ってしまうもの。
ともさか:ほんと、そうだよね(笑)