嫌な記憶「過去の失敗を思い出して落ち込んでしまいます…」【心屋仁之助 塾】
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メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「過去の失敗や嫌な出来事を思い出しては、落ち込んでしまう」という、かえさん(33歳・専業主婦)に、心屋塾認定講師のはしぐちのりこさんからアドバイスをいただきました。
■かえさんのお悩み
過去の失敗や嫌な経験がずっと忘れられず、思い出したり夢に見たりしては落ち込んでしまいます。
例えば、高校の部活でのこと。同級生からうまくないとバカにされたり、自分だけ試合に出られないことがつらかったりで、途中で辞めてしまいました。「下手な自分が悪い、同級生も悪気があったわけではない」と思おうとしますが、退部後は無視され、たまにその事を思い出しては頭から離れなくなり、苦しいです。
以前、勤めていた保育園で、先輩保育士に保護者の目の前で怒られたり、主任に皆の前でバカにされたりしたこともよく夢に見ます。精神的につらくなり体を壊し、入院を理由に2年で辞めてしまいました。
どちらも自分の性格の弱さが原因だと思います。自分にも悪いところがあるし、人のせいにして自分の弱さの言い訳にしているような気もします。
相手への腹立たしさと、自分への情けなさがずっと混在して、一度ネガティブな気持ちになるとなかなか抜け出せず、家族に嫌な態度を取ってしまうことも。この気持ちをどう処理すればいいのか分からず、困っています。
※一部、質問内容を編集しています。
■心屋塾認定講師のはしぐちのりこさんより
かえさん、ご相談ありがとうございます。
忘れてしまいたい経験や失敗は、誰にでもあるもの。私自身もたくさんの失敗をしてきましたし、忘れてしまいたい過去もあります。
嫌な思い出は時間とともに薄れていくことが多いですが、かえさんのように繰り返し思い出すことで強烈な印象となり、そこから気持ちが離れられなくなる方も少なくありません。夢にまで出てくるとのこと、かえさんの日常のかなりの部分を支配してしまっているとお見受けしました。
まずは、ちゃんと怒りましょう。人前でバカにされるというのは屈辱的ですし、つらい時間でしかなかっただろうと思います。相手を腹立たしく思うのも当然です。
怒りが出てくるのは、かえさんが自分自身を「大切な存在」だと思えている証。たとえ仕事やスポーツが上手にできなかったとしても、露骨にバカにされたり、人前で怒られたりしていい理由にはなりません。
時間が過ぎた今、当時の気持ちを相手にぶつけることはできませんが、感情は「ぶつける」ものではなく「出す」ものと考えてみてください。
自分がこんなに怒っているのだということをきちんと感じて、自分の体の外に、言葉として出してみましょう。
具体的には、「あのとき相手に言いたかったこと」を声に出してみる。クッションなどを相手に見立てながらが、そこに向かって言うのがおすすめです。実際にやってみると、かえさんの心の中で、感じ方が少し変わってくると思います。
感情は「きちんと感じてあげること」が大切。それをしなければ、いつまでもおなかの底にたまり続けてしまいます。
かえさんのように「私にも悪いところがあるから」「私が弱いから」と理由をつけて収めようとしていると、怒りをきちんと感じられません。結果、もやもやとした気持ちが残り続け、脳内リフレインが起こってしまう。
いつまでも引きずってしまうことになるのですね。