連載記事:「教育費どうしようかな?」と思ったら

“情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!?【「教育費どうしようかな?」と思ったら 第1話】

「教育費どうしようかな?」と思ったら

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教育資金は、まさに『聖域』。家計がどれだけ苦しくても、最優先で教育資金だけは死守する家庭があります。一方で、子どもの教育にお金をかけすぎて老後資金が枯渇するケースも。そこでファイナンシャルプランナー…

「教育資金は、まさに『聖域』。家計がどれだけ苦しくてもほかの支出を見直し、最優先で教育資金だけは死守するご家庭を、これまでたくさん見てきました」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんです。

竹下さんの事務所には、教育資金に関する相談がじわり、じわりと増加しているそう。お話しを聞いてきました。
「教育費どうしようかな?」と思ったら

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ファイナンシャルプランナー 竹下さくらさん
自らの生活者としての経験を踏まえた、家計の運営や、教育資金設計のご相談のほか、講演、執筆活動などを行っている。

■「教育資金」で夫婦ゲンカとなるケースが多い

竹下さんは、言います。「教育費の話が発端で、大きなケンカになってしまうご夫婦、じつは多いんです。そのときの心の傷は、子育てが終わったあとの夫婦関係にまで、影響を及ぼしてしまう…。
それが、現実です」。

筆者の周りを見渡してみても、多くの夫婦ゲンカの要因は、「子どものこと」と「お金のこと」、そして「お互いの実家のこと」が多いのでは? と感じています。「教育資金」の問題は、これがミックスされた話なので、「そりゃ、夫婦関係の『綻び』になるよなぁ」と、妙に納得してしまいます。

■教育費と老後資金は「綱引き」の関係

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一方で、子どもの教育にお金をかけすぎて老後資金が枯渇するケースも、じつは少なくないそうです。

「実際に、『老後のやりくりが大変』というご家庭の相談を受けていると、いまのお金がない状況を招いた原因として、教育費をかけすぎたことをあげる方が少なくありません」(竹下さん)。

会社員の場合、生涯年収は有限です。その「限りがあるお金」の中で、教育費と老後資金は、常に「綱引きの関係」にあります。遠い将来、お金で揉めない夫婦になるためには、「教育費のかけすぎ」にも注意しなければいけないんです。


▼「教育費」と「老後資金」は“綱引き”関係


“情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!?【「教育費どうしようかな?」と思ったら 第1話】

「教育費」と「老後資金」は“綱引き”関係(出典:『「教育費をどうしようかな」と思ったら』/竹下さくら)



こんな現状のいま、教育資金について、ママたちが「本当に知っておくべきこと」を、この連載では考えてみたいと思います。

「教育資金に関して、『情報格差』を感じます」(竹下さん)。まずは、そんな「情報格差」の例を3つほど、教えてもらいましょう。


■情報格差1、ママ友からの情報は正しいのか?

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一点目は、ママ友からの情報で焦る妻が増えているそうです。

「『この地域、中学受験をする人が多いの』と妻が夫に相談しても、夫は考えすぎだと聞き流すばかりで、妻の『不安な気持ち』を受け止めて一緒に考えてくれる夫は少数派という実感があります」(竹下さん)。

「中学受験をするかどうか?」。ママとしては、たしかに無関心ではいられない問題ですよね。でも、周りの「ママ友情報」だけに振り回されるのは、あまりおすすめできません。

なぜなら、子どもの進路については、基本的に後戻りができないからです。あたり前のことながら、私立中学に合格すれば、その後6年間、「私立の学費」を払い続けなければなりません。

「志望校名 + 学費」で検索してみると、学費に関する情報は、わりと簡単に出てきます。
「その金額を、家計から6年間、きちんと支払い続けていけるのか?」を、まずはイメージしてみましょう。

また、ママ友情報だけでなく、夫の職場の同僚、実際に進学希望の学校に通わせている人などにも話を聞き、幅広い範囲での情報を仕入れることも大切です。

そういった情報を得つつ、夫婦でもしっかり「わが家の方針」を話し合い、中学受験にトライするかどうかの最終決定をしましょう。


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