連載記事:離婚できない妻のモラハラ対処法

【専門家監修】モラハラ夫と離婚すべき?関係を続けると決めた妻がとるべき行動【離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.3】


■本当の人生は、攻撃が終わってから始まる

さて、「Joeメソッド」を遂行し相手の攻撃が終わった場合、もうモラハラの心配はなくなるのでしょうか。

「即座にテンションを戻してはいけない」とJoe先生は警告します。「基本的にモラハラをする人は、モラハラできる状況であればします。攻撃されないためには、“その人が攻撃したくならないキャラ”として存在し続ける必要があります」。

また、多くのカウンセリングを行ってきたJoeさんによると、「攻撃のターゲットになる人には、ひとつの場所や人に依存する傾向がある」と言います。攻撃をなくすために始めたメソッドなのに、いざ相手と距離が離れていくと寂しく感じてしまうのだとか。

そこで、Joeさんが勧めるのが、夫には内緒でほかに夢中になれるものやよりどころを見つけること。趣味でも仕事でもいい、それが見つかれば人生の目的や生きがいになると言います。
そして、モラハラ夫とある程度の距離感を保つ具体的なポイントとして、以下を挙げてくれました。

<モラハラ夫と距離感を保つポイント>
・趣味や友達を、夫と共有しない
・予定を報告しない
・夫はひとつ家にいる同居人と考える
・単独者として生きる意識を持つこと
・自分の趣味。自分だけのアジトを持つ

本当の人生は、攻撃が終わってから始まる

イラスト:鈴木し乃


Joeさんは「本当の人生は、攻撃が終わってから始まる」と言います。ここがスタートラインであり、本当に大事なのはその先の人生をどう生きるか。

幸せは夫や他人が運んでくれるものではなく、自分でつかむもの。モラハラ夫がいたって、状況を変えることさえできれば、自分の望む幸せをつかむことができるのです。

■状況は自分でいつでも変えられる

最後にJoeさんに「このJoeメソッドを作ったときに心掛けたこと」を聞いてみると、「その人の余計な先入観や感情をどかして、客観的に状況を見てもらうこと」との答えが返ってきました。

モラハラを受けている人の大半は、「夫はそんな人じゃない」とか「自分のせいなんだ」と思ってしまうのだと言います。
だからこそ我慢してしまうし、努力して愛してもらおう、認めてもらおうと、自分をすり減らしてしまう。

「そんな自分を、本人が客観的に判断できていて、納得していればいいんです。でも、状況を捉え違えて損をしていたり、気付かずに搾取されていたり…。それは悔しいんですよね。

だから、『あなたの感情抜きで、こういうことになっていますよ』と状況を伝えてあげたい。僕のスタンスはそこだと思っているんです。共感して“大丈夫だよ”というカウンセラーもいます。もちろんそういったカウンセラーも大事だと思うけれど、僕の役割ではないと思っています」

もし今、「夫はモラハラかも…」と感じているならば、客観的な目で、自分たち夫婦のやり取りを振り返ってみてはいかがでしょうか?

モラハラだとあえて決める必要はありません。
生命などの危機がなければ、すぐに行動を開始しなくてもいいかもしれません。でも、つらくなったらいつでも自分の手で状況は変えられる。

それを知っただけでも、心が軽くなったのは筆者だけでしょうか? 夫との関係につらい思いを抱いている人たちが、そんなお守りのようなこのメソッドに出会えますように。

■今回お話をうかがったJoeさんの著書
『離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本』
【専門家監修】モラハラ夫と離婚すべき?関係を続けると決めた妻がとるべき行動【離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.3】
(Joe/SBクリエイティブ ¥1,430(税込))
モラルハラスメントを受け苦しんでいるけれど、“離れられない”または“離婚できない”人に向けて、自分の平和を取り戻すメソッドを紹介。シチュエーションに合わせた表情やしゃべり方、心の持ち方まで、具体的ですぐ実行できるメソッドが並ぶ。

Joe(ジョー)さん
モラハラ対策カウンセラー。1976年、典型的なモラルハラスメントの関係にある家庭に生まれる。自身の経験から、モラハラをする人、被害を受ける人の心理を学び、モラハラで苦しむ人にアドバイスを始める。
現在は、ブログや講演会などでメソッドを伝えている。
ブログ:離れられない『モラハラ』『身近な人からの攻撃』対処の超裏技!


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