夏が近づくにつれてキッチンで気になるのが、生ゴミ臭。私も以前は生ゴミが臭わないようビニール袋に入れて口をしっかり縛り、燃やせるゴミの日を待って捨てていました。ビニール袋は燃やせるゴミじゃないんだけどなぁ…と後ろめたい気持ちを抱きながら。
それが2年前、コンポスト生活を始めてからノンストレスに! 今回は
我が家のコンポスト作り体験談と、私の
3人のコンポスト仲間の様子をお伝えします。
【ご紹介するコンポスト】
・筆者のコンポスト(設置式:庭)
・Aさん宅のコンポスト(バッグ型:ベランダ)
・Bさん宅のコンポスト(密閉型:キッチン)
・Cさん宅のコンポスト(電動型:キッチン)
■「コンポスト」って何? どうやって始めるの?
コンポストとは、
生ゴミや落ち葉などを微生物の力で分解させて作る堆肥のこと。栄養豊富なので
家庭菜園や花の栽培などに使えます。
コンポストを作るには
コンポスター(容器)が必要です。庭やベランダに設置するタイプや地中に埋めて使うもの、室内でも使用できる密閉式や電動式、ダンボールを活用したものなど、さまざまな種類から選べます。
我が家は庭に置きたかったので写真のような
設置式をセレクト。これは住んでいる自治体推奨のもので、8割も助成があったので3,000円で購入できました。さらに、主人が役所のごみ減量推進課へコンポスターを注文しに行った際には丁寧に使い方の説明をしてもらえ、生ゴミと混ぜる腐葉土も無料でもらって帰ってきました。
生ゴミの減量化・資源化はどの地域も抱えている課題だけあって、積極的にサポートしてもらえるようです。まずはお住まいの自治体のHPなどをチェックしてみてはいかがでしょうか。
後日、届いたコンポスターに腐葉土を入れ、生ゴミの分解が進みやすいよう
日当たりと風通しのいい場所に設置して、ちょうど2年前、我が家のコンポスト生活はスタートしました。
■毎日生ゴミを入れて、スコップで混ぜるだけ
季節を感じる美しい生ゴミたち。新鮮なままコンポスターに
コンポスターに入れるのは
キッチンで出る生ゴミです。大きめの野菜クズや果物の皮などは分解されにくいため、小さくちぎったり切ったりしてから入れています。肉や魚の骨、貝殻、カニやエビの殻、玉ねぎやニンニクの皮、とうもろこしの芯などは分解処理に時間がかかるようなので、我が家では避けています。
また、家庭用精米機を使っているのですが、精米すると出る
「米ぬか」は
発酵促進剤になるので捨てずにとっておき、1週間に1度くらいの頻度で投入しています。これまでは米ぬかも、ぬか床に使うぶん以外は使い道がなくて捨てていたので、いろいろと無駄がなくて助かっています。
腐葉土を入れたコンポスターに生ゴミや米ぬかを入れた後は、分解がスムーズに進むよう
スコップで底までよく混ぜて空気を入れます。この作業を毎日ただひたすら繰り返すのですが、色鮮やかだった生ゴミがだんだんと茶色くなり、知らない間に土っぽく変化している様子は不思議というか、なんとも興味深いものがあります。
■発酵・分解のスピードは季節によって変わる
写真上は1月末、写真下は4月末の様子
季節によってコンポスター内の様子は
変化します。寒い時期は発酵・分解の進みは遅く、梅雨時は水っぽくベタベタした感じに。2年前の冬場はいつまで経っても生ゴミが原型を留めたままだったので、生ゴミを入れるのをしばらくやめて分解を待ったりもしました。
一方、暖かくなってくると微生物の動きも活発になり、混ぜていると土が
ホカホカと温もりをもっているのを感じるほどに。これは
発酵によって熱が出ているからなんだそうです。
コンポスター内の容量が6分目程度にまで増えたら、コンポスターに付属していた不織布製の熟成袋に移し替えて保管。夏場は1~2カ月、冬場は3カ月ほどじっくり熟成させて、
堆肥のできあがりです。
■やっぱり気になる「虫」のこと、「臭い」のこと…
庭に設置して避けて通れなかったのは、やはり
虫。もれなく我が家にもやってきました(涙)。初めての夏はコバエが発生したので慌てて写真の緑の防虫カバーを購入してコンポスターを覆い、こまめに追い払っているうちになんとか収束。
ホッとしていたのも束の間、秋には
アメリカミズアブの幼虫が! ただ、この幼虫のほとんどは成虫にならないままコンポスト内に留まっていました。混ぜるたびにゴロゴロと幼虫が出てきてちょっぴりホラーでしたが(そのうち慣れましたが)、よく見ていると分解のスピードがいつもよりも格段に早いのです。
調べてみると、この幼虫はバクテリアよりも数倍から数十倍の分解能力があるとのこと。虫はすべて害虫というわけではないんですね。
【※苦手な方はパスしてくださいね】
白っぽいものがアメリカミズアブの幼虫です…
我が家の場合、虫はわいたもののコンポスター周りをブンブン飛び回って困るというようなことは一度もありませんでしたし、通気性のあるコンポスターなので腐敗臭を感じることもありません。
■いつも清潔で気持ちのいいキッチンに変わった
このように、生ゴミを入れて混ぜればコンポストは作れます。毎日スコップで混ぜていると土の様子や変化が分かりますし、不安なことがあったらネットで検索すればヒントとなる情報はほぼ得られますので、導入に慎重になりすぎなくても大丈夫です。
どんなコンポスターをどのような場所や環境で使うのかによって、
堆肥化するまでの過程は千差万別。
住環境や生活スタイルに合ったコンポスター選びから始めましょう。
熟成後に袋を開けると、分解しきれなかった何かの種から芽が伸びていました。
堆肥は庭の植物栽培に使います
私がコンポスト生活で気づいたのは、
燃やせるゴミというのはほぼ生ゴミだったということです。
おかげで
ゴミの量は驚くほど減りましたし、
夏場の生ゴミ臭ともお別れできました。野菜クズなどは新鮮なままコンポスター行きなので、キッチンはいつも清潔。結果として
栄養のある堆肥ができ、庭の土は肥え、
地球にやさしいサスティナブルな暮らしができている。こんな気持ちのいいことはないなぁと感じています。
次ページでは
\コンポスト仲間の体験談をご紹介!/
1)ベランダに置ける「トートバッグ型」
2)キッチンに置ける「密閉式」
3)キッチンに置ける「電動生ゴミ処理機」