ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。
前回、文豪クズ男列伝の特別編として女流作家「岡本かの子」をご紹介したところ、女性作家についてもっと知りたいというお声もいただいたので、今回は流行りに乗ってこちらの超有名女流作家たちについて書いてみたいと思います。
私の趣味をご存知の方、インスタやXを見てくださっている方からは「ハイハイ知ってるよ」…という声が聞こえてきそうですが、私は幼少期から平安時代の文化や文学が大好きなんです!
今年の大河ドラマの紫式部の人生をモチーフにした『光る君へ…』。
完全にドハマりで、やや家族を巻き込みながら楽しんでいます!
ということで、平安時代を代表する才女といえばやっぱり紫式部と清少納言でしょう!
実は直接出会ったことがない
清少納言と紫式部
ドラマでは同席していたふたりでしたが、史実としては交流した記録は残っていません。
同じ天皇時代に宮中で働いていたとはいえ、紫式部が一条天皇の女御(妃)彰子に仕えたのは、清少納言の主人で中宮(皇后)であった定子とその一家が失脚した数年後からなので、少なくとも宮中で遭遇することはなかったはずです。
でも、このふたりが同僚だったとしたら…ふたりのそれぞれの作品ももっと殺伐とした内容になっていたかもしれません。
というのも、
清少納言と紫式部って正反対の性格のようなんです。
平安時代の人って絵で見るとみーんな引き目鉤鼻、更に身分によって髪型も身につけるものも同じだから、なかなか個性を見出しにくいんですが
文字で残された作品は個性が爆発しています!
まずは清少納言からいきましょう。
頭がキレて気が強い!
キャリアウーマンの清少納言
清少納言は祖父も父も百人一首に選ばれるほど有名な歌人である清原家出身。幼いころから歌や漢詩を学び、この時代にはかなり珍しいタイプの女性に育ちました。
平安時代の貴族女性に生まれたら、経済力のある男性が通って来てくれるのをひたすら待つだけの人生です。さらに家事は召使がやるので、琴を弾いたり庭を眺めて歌を詠んだりするくらいしかやることがありません。
もちろん人に顔を見られてはいけないのでほとんど外出もできず、いくらお金と時間があってもできることが限られます。
これってなかなかキツくないですか?
ま、正直お家大好き&ひとりが大好きな私はそんなにしんどくないような気もするのですが…。
とにかく当時の貴族女性の生き方のスタンダードがこれだった時代に、彼女はこう言ってのけます。
「将来の計画性もなく夫に頼りっきりでささやかな家庭の幸せだけ守ってるような人生なんてつまらないし軽蔑しちゃう。それなりの身分の娘に生まれたからには結婚前に宮仕えぐらいして社会勉強した方がいい。できれば典侍(ないしのすけ)ぐらいの地位は経験しておくべき。宮仕えする女は軽くてダメだなんて考えの男はほんっと憎たらしいわ。」(枕草子「生い先なく…」)
え、バリキャリの考え方…? 平安時代の女性でこんな考え方する人がいるなんて!!と衝撃でした。
頭の良い女性は幸せになれないとまで言われる平安の世で、自身の聡明さに自信を持って人とは違った視点で世の中を捉え、宮中での生活を楽しんだ清少納言は気の強い陽キャな印象ですね。
そんな、一見はつらつとして見える彼女の意外な一面について、以前からXで人気の犬アイコンの編集者たらればさん(@tarareba722)の解釈に目から鱗でした!
「清少納言の直属の上司、中宮定子さまは清少納言にとって直視できないほど尊いお方。枕草子に書かれた彼女の定子さまへの心酔っぷりはまさに推し活のようだ」といった内容を投稿されていたのです。
これは「成功したオタク」ってやつですかね?
「初めて宮仕えに出た頃はどうしたらいいかわからなくて泣きそうになりながら毎日夜になったら参上して近くに侍っていると定子さまが絵などを見せてくださるけど、緊張して手も出せず縮こまってしまう。(中略)とても寒い頃で、袖口からちらりとのぞいた指先が本当に艶々とした綺麗な薄紅色で、こんなに美しい人がこの世に実在するのかとびっくりしてお見上げしたものだわ。」(枕草子・第179段「宮にはじめてまゐりたるころ」)
教養と感性には自信のある清少納言ですが容姿にはコンプレックスがあったみたい。とてつもなく高貴で美しい定子さまは今で言うなら直接お会いできるなんて夢のまた夢、別世界のキラキラした芸能人のよう。そんな彼女から直接話しかけられ、やりとりしている自分に時々ハッと我に返って
「あの美しい推しとこんなみすぼらしいババア(宮仕え当時すでに三十路近く、定子よりだいぶ年上だった)がしゃべってるよ 恥ずかしいー!!」
って…
頭のキレる皮肉屋なキャリアウーマンがこんなふうに推しに身悶えてる姿を想像すると、この人にもこんな可愛いところがあるのか、と微笑ましくなってきますね。
一方紫式部はというと…。