コミックエッセイ:夫婦・子育ていまむかし
平安の文豪!紫式部と清少納言ってどんな人?【夫婦・子育ていまむかし Vol.20】
華やかな生活に馴染めず
しんどくなって休職しちゃった紫式部
清少納言と同様、幼いころから学に親しむ環境がバッチリあった学者・藤原為時の娘なんですが、彼女の場合はけっこうコンサバな育てられ方をしたようです。
父親が弟の出来の悪さを嘆き
「お前が男だったら」
と言われた話は有名ですが(今で言えば毒親というやつかも…)
こういう言葉で子どもって自己肯定感折られていくんだな、とつくづく思うわけです。
ですが、こうして紫式部は
「女のくせに学をひけらかすのははしたない」
と自分の賢さ、学識を恥じつつもどこか認められたい、そんな陰キャ女子に育ったのかもしれません。
一条天皇に入内させた娘の彰子のために教養高いサロンを作りたかった道長。そんな道長に源氏物語がヒットしたことで目をつけられスカウトされた紫式部なのですが…。
『紫式部日記』の中には時の最高権力派閥の華やかなサロンでの生活に馴染めず、空気読みすぎてしんどくなって休職しちゃう陰キャ式部が描かれてまして…「その辛さ分かる〜」と共感しかございません。
とはいえ『紫式部日記』って、ちょいちょい毒舌部分があるんですよね。
なんならそこだけが有名になってる感も…。
「清少納言って人ほんと最悪。したり顔でかしこぶってる。漢字を無闇に使ってるけどよく見たら間違ってるとこいっぱいあるし。ああやって人より自分は優れてるように見せたがる人って最後には見劣りして残念な結果になるのよね。どんなつまらないことでも感動して見せて、少しでもいい感じのネタ探しに頑張っちゃってる感じ、かえってダサくない?」
紫式部が日記の中で清少納言をガチめにこき下ろしている部分、なんというか…SNSで有名インフルエンサーの悪口言ってる裏垢女子…みたいな…?
でもこれ(本音も入ってると思うけど)実は政治の動きが関係しているとも言われています。
つまり道長率いる彰子サロン所属の紫式部としては、前勢力定子サロンの風評を下げる必要があってわざわざ書いた可能性もある…と。それだけ清少納言が及ぼした影響力が大きかったとも言えそうです。
当時の日記は人に読まれる前提なので、個人の感想風だけど意図が仕込まれていると考えられますよね。
ふたりが現代で創作活動をしていたなら…って想像してみました。
どちらが良い悪いと言いたいわけではなく、自己表現のタイプの違いを表現してみましたが…いかがでしょうか?
平安時代に文学や和歌で活躍した女性はまだまだいます。心にどのような想いを抱えて生きていたのか…本当のところは本人にしかわからないことですが、彼女たちの境遇や人となりを想像しながら作品を読んでみるとまた一味違った楽しみ方ができそうです!
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