2016年2月16日 12:00
幾重もの色彩の美、アメリカ・ペンシルベニアの職人夫婦による全行程手作業の木版画
Tugboat Printshopによる作品
2人の優れたアーティスト、ポール・ローデンとヴァレリー・ルース(Paul Roden & Valerie Lueth)による、木版画工房・タグボート プリントショップ(Tugboat Printshop)。2006年からアメリカ・ペンシルベニアでその活動を開始させた2人は良き職人同士でありながら、実は夫婦でもある。
山や森林などの雄大な自然をテーマにした作品を中心に制作をしており、版の隅々まで彫り込み何重にも色を重ねて完成された作品は圧巻だ。木版画は長年鍛え上げられた職人による印刷技術で1枚ずつ刷られており、全ての行程が手作業により行われている。作品1枚に費やされる時間は絵の複雑さと重ねる版の数にもより、また複数の作品を同時進行で制作しているため正確には測れないが、おおよそ4から6ヶ月はかかるそうだ。
2人は、現代の印刷物からよりも古いものにインスピレーションを受けることが多いそうで、日本の浮世絵からも多大な影響を受けたそうだ。特にその題材と色使いにおける複雑さと遊び心に刺激されたようで、その影響は確かに彼らの作品にも活きているように思える。