アツシナカシマがミックスカルチャーで示した存在感。音楽は堂本剛【17SSウィメンズ】
9月23日、アツシナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)がミラノでショーを開催した。会場となったのはミラノ中心地にある、王宮博物館内。何世紀にも渡りミラノ政府の拠点として使用され、現在はイタリア全土から集められた芸術品が多く眠る、歴史的に名高い場所だ。イタリアと日本の国交150周年にあたる今年、中島はそれを意識してデザインに取りかかったという。ショー開催直前には「サプライズを仕込んでいます」と巧みな笑みを浮かべていた。今季のテーマを「MORPHING(モーフィング)」と掲げ、コレクションノートには「ある物体から別の物体へ変形し補完して完成する。変身・変化」と記されている。ファーストルックに登場したのはトレンチコートとデニムコートの中間の形状を生成し、1つのアイテムに組み合わせたコートで“コンビーネション”のアイデアを呈示。
ドット柄は素材の切り替えによって新たな表情を持たせ、ブロックチェックは一部分の糸をあえて織り込まず表に出す“カットジャガード”という手法でノイズのような効果を生み出し、ベーシックな柄物にも中島流のアイデアが光る。最後のルックは2人のモデルが並んで登場し、2つのコートで日本国旗を作った。サプライズの全容が見えたかと思ったのも束の間、ランウェイを折り返した二人の背中にはイタリア国旗が現れ、日本とイタリア国交150周年を祝すにふさわしいショーの締め括りに、大きな拍手が湧き上がった。ランウェイには女優のすみれが登場し、外国人モデルにも引けを取らないキャットウォークを披露。Kinki Kidsの堂本剛とのコラボレーションで作曲したBGMは、和の要素を取り入れた繊細な作品に仕上がっており、イタリアの歴史的建築物である王宮内会にその音色を響き渡らせた。クラシックをモダンに昇華させたアート性の高い作品を見せたアツシナカシマ。ミックスカルチャーから生まれる無二のアイデアが、ミラノで頭角を現しつつある。DHLのプログラムで援助を受けてミラノコレクションに参加できるのは今回が最後だが、世界を視野に入れている中島は今後もミラノでショーを開催予定。
「続けることに意味がある」という力強い言葉を信じ、次シーズンにも期待したい。
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