2016年11月7日 17:00
写真界の巨匠ロバート・フランクとブック界の重鎮ゲルハルト・シュタイデルの展覧会が開催。作品を新聞紙に印刷、会期終了後には破棄
(c) Robert Frank
写真界の巨匠ロバート・フランクと、アートブック界の重鎮であるドイツSteidl社の設立者ゲルハルト・シュタイデル(Gerhard Steidl)による展覧会「Robert Frank: Books and Films, 1947-2016 in Tokyo」が、11月11日から24日まで東京・上野の東京藝術大学美術館 陳列館にて開催される。写真、映画の歴史に最も影響を与えた人物の一人として挙げられるロバート・フランク。しかしその影響の大きさにもかかわらず、非常に繊細な扱いが求められる彼の作品の貸し出し条件は非常に厳しく、高額な保険料が求められるためにそのほとんどが公開されてこなかった。しかし本展では、新聞紙に作品を印刷し、さらに会期終了とともに破棄するという従来の写真展のスタイルを覆す方法で商品価値を低くし、売買と消費のサイクルを回避。また、東京展では東京藝術大学の学生が主体となり展示構成からイベントの立案、広報・什器の製作までが行われ、美術市場において教育的価値も大きな展覧会となった。本展のカタログも、ドイツの有名な日刊紙である『南ドイツ新聞』の特別エディションとして、定型のフォーマットに則ってデザインされ、再生新聞紙へ印刷。