建築家・丹下健三の写真展、自らの視点が捉えた丹下作品とは?
カメラを手に竣工当時の香川県庁舎と対峙する丹下 1958 年頃撮影 撮影者不明
この展覧会では戦後を代表する建築家の丹下健三が、自らのカメラで撮影した建築写真を展示。その内容は50年代に撮影されたものが中心となっており、多くの未公開写真が今回初めて出品される。東京都庁舎や広島平和会館原爆記念陳列館が、完成当初の姿のままフィルムに収められているが、中でも注目なのが初期代表作の一つとなった香川県庁舎だ。10年間にわたる建設の過程が、丹下の写真によって再現されている。
また、丹下は自身の建築物のみならず、桂離宮など国内の伝統建築や、フランスの建築家ル・コルビュジエによる作品なども写真に残している。ファインダーを通じて、丹下が建物のどこに注目していたのか。
後に巨匠と呼ばれるに至った、丹下の建築家としてのモーメントを知る、またとない機会となりそうだ。
同展の監修を行った建築家の岸和郎は「丹下健三は今でこそ戦後日本を代表する建築家ですが、1人の建築家として何に興味を持ち、それを自分の目でどうとらえようとしたかがよく伝わってくるため、初めて丹下さんが自分にとって近しい存在に思えた」とコメントしている。
なお、丹下の10回忌にあたる3月22日には、建築会館ホールでシンポジウム「丹下健三没 10 年『今、何故、丹下なのか』を問う」が開催される。ゲスト講演者には、建築家の岸和郎や豊川斎赫などを招聘。「不安と混乱に満ちた1950 年代を駆け抜けた丹下健三」「20 世紀に丹下健三は何を成し遂げたのか?」「21 世紀に丹下健三は可能か?」の三つのプログラムで、丹下の生涯とその功績を紐解いていく。これに先駆けて、1月には豊川斎赫の編著による書籍『TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三』が発刊される予定だ。
【イベント情報】
TANGE BY TANGE 1949-1959 丹下健三が見た丹下健三
会場:TOTOギャラリー・間
住所:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3階
会期:1月23日から3月28日
時間:11:00から18:00
料金:無料
休館日:月・日曜日、祝日(3月22日は開館)
丹下健三が自身の作品を自ら撮影したコンタクトシート。(写真は「広島平和会館原爆記念陳列館」の施工現場風景)
広島平和会館原爆記念陳列館(広島県広島市、1952年)1952 年撮影 (C)丹下健三 トリミング線は丹下自らが入れたもの
住居(自邸)(東京都世田谷区、1953 年) 1956 年 (C)丹下健三
愛媛県民館(愛媛県松山市、1953 年)1954 年撮影 (C)丹下健三
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