2020年5月9日 19:30
アンダーカバー 2020秋冬ウィメンズコレクション、黒澤明の傑作『蜘蛛巣城』主人公を翻弄する妻を描く
アンダーカバー(UNDERCOVER)の2020年秋冬ウィメンズコレクションは、同シーズンのメンズコレクションのイメージソースにもなった黒澤明の傑作とも言われる『蜘蛛巣城』がインスピレーションとなった。ウィメンズコレクションでは、主人公・鷲津武時に寄り添い、彼を翻弄した妻・浅茅を表現している。
主人公・武時を翻弄し続けた妻・浅茅とは
『蜘蛛巣城』は、合戦で手柄をあげた主人公・武時が、森で出会った老婆の予言を発端に欲望と狂気に溺れていく物語。武時が精神崩壊したその裏には、妻である浅茅の存在があった。浅茅は、その中で夫である武時の野望の裏で、自身の野望も満たそうと企み、彼を翻弄していく。
映画の世界を再現する“和”のディテール
物語の舞台は戦国時代。その世界観を顕著に表すのは和服のディテールで、それは、肩衣のようなフリルの装飾、着物のような重なりのガウンコート、袖丈が長く振りのあるアウター、袴のようなシルエットのワイドパンツといった具合に表現されている。コートやワンピースには、帯のような腰ひもが取り付けられ、バックスタイルには“結び”が存在する。
浅茅といえば、怜悧で美しい妻である一方、どこまでも不気味であり、それが『蜘蛛巣城』をより印象深い作品にした要因でもある。