「志村ふくみ展」姫路市立美術館で、“人間国宝”の染織家による草木染の紬織着物100点が集結
「志村ふくみ展 いのちを織る」が、兵庫・姫路市立美術館にて、2020年7月4日(土)から8月30日(日)まで開催される。
人間国宝・志村ふくみの約60年にわたる創作の歩み
志村ふくみは、絹に草木染めを施した"紬糸”から織りあげた“紬織(つむぎおり)”で知られる、人間国宝の染織家だ。野山の草木から採取した染料で染めた糸と独自の図案で織りあげられた作品の数々には、鮮やかさや繊細さ、独特の気品が漂い、多くの人びとを魅了してきた。
草木染めと独自の感性で織り上げた紬織約100点を展示
「志村ふくみ展 いのちを織る」は、志村ふくみの約60年にわたる創作の歩みと、その芸術の核心に迫る展覧会。滋賀県立近代美術館が所蔵するコレクションを中心に、主要な紬織着物100点を、織物の生地見本を貼った裂帖や染糸などとともに紹介する。
『源氏物語』シリーズを展示
見どころは、紫式部の『源氏物語』をテーマに制作した紬織着物のシリーズだ。従来、染織品で文学作品をテーマとする場合、その場面に現れる人物や植物を染や織、刺繍などで描写してきた。しかし志村は、文中での草木や衣装などの色の記述に着目し、色のグラデーションや幾何学的な文様により場面を表現した。