2021年9月12日 13:00
カラー 2022年春夏コレクション - 局所的モンタージュの技法
カラー(kolor)の2022年春夏コレクションが、2021年9月4日(土)、京急蒲田駅にて発表された。
モンタージュの異化作用
京急蒲田駅のホームと電車内を相互に行き来するようにして行われた、2022年春夏のショー。ブランドらしくカジュアル・プレッピーなウェアの解体・再構築的なモンタージュを基調としつつも、それは激しい不協和音を奏でるというのではない。むしろ、あくまでベーシックなデザインがベースにありながらも、揺らめくようなほかの衣服の断片が装飾的に施され、それが異化作用をもたらしている。
解体・再構築のモンタージュは、互いにテイストの異なるウェア同士を衝突させ、そこに生じる異化作用を発現させる。それは何も、激しいぶつかり合いを要請するとは限らない。今季のカラーでは、それはむしろごく一部に留めおかれることで、その細部のコントラストを逆説的に引き立てる。
たとえば、随所に配したビニール素材。
ブレザーの片方のラペル、コートの裾先、ニットやシャツのフロントなど、テキスタイルに重ねるようにしてあしらうことで、芯地やステッチといった内部の要素、あるいは下に重ねたウェアをかすかに垣間見せる。