2022年8月15日 10:05
書店は興味を掻き立てられる場所 『知ること』は、新しい扉を開く最初の一歩
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
『知ること』は扉を開くこと
書店へ行くと、いつも軽い絶望感を味わいます。大型の書店へ行けばなおさらのこと、どれだけの数の書籍があるのか想像もつきません。
もちろん、それは恥ずかしいことではないし、書店に足を踏み入れたときの一瞬の『めまい』のようなものです。
この世界には一生かかっても辿り着かない『知』があり、知ることのない『物語』がある。そしてそれは、いまこの瞬間にもどんどん生み出され、その領域を広げ続けている。果てしない……宇宙のようでもあります。
そんな軽い絶望感を味わいつつも、書店は興味を掻き立てられる場所です。散歩をするように書棚から書棚を見て回る。
好きな作家の新刊は迷わず手に取る。
まだ知らない知の扉が並んでいるのですから、圧倒されながらも好奇心が湧き出てきます。