『かもめ食堂』は、リラックスしたいときの処方箋 自分が心地よいと思うことを大切に
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
心地よい、を選ぶ
映画『かもめ食堂』が好きで、もう10回以上は観ています。群ようこ原作のこの映画は、フィンランドのヘルシンキの小さな『かもめ食堂』をめぐる人々の物語。
登場人物たちの感情を抑えたやりとりは何とも味があり、リラックスして観られるのが魅力です。小林聡美、もたいまさこらの抑制された演技に不思議に惹きつけられます。
癖になると言っていいかもしれません。取り立てて物語のアップダウンはないのに、また観たくなる、奇妙で平和なムードのある映画です。
はらはらしたり、シリアスな物語に疲れてしまうようになりました。体のどこかに力が入ってしまうのか、観終わるとぐったり。
新しいものを追いかけるのではなく、心地いいことを選んでいく。