絶えない迷惑電話と詐欺のメールに疲れたら 自分の心と向き合ってみる『欲の棚卸し』
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
欲の産物
家の電話をほとんど使わなくなって、もう何年も経ちます。
もう滅多に重要な電話はかかってこないのですが、着信の多いこと、多いこと。
迷惑電話対策をしているので、大抵の場合は切れてしまいます。
たまに出てみると、高価買い取りや投資マンションなどのセールス、または音声メッセージが流れます。
見たことのない電話番号からも頻繁にかかってきます。
AIで発信元を検索すると、それはもう地球上のありとあらゆる地域からの電話です。
ベトナム、カンボジア、タイ、南アフリカ、昨日はベルギーから。目的は、特殊詐欺、ワン切り、個人情報の収集などでしょうか。
SNSではロマンス詐欺も。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。すっかり詐欺のカオスです。
これだけかかってくるということは、少数でも騙される人がいる、ということなのでしょう。
しかし、このような電話は日本だけでなく、他国にもかけているのでしょうか。
同じようにフィッシング詐欺のメールも大量に来ます。
個人情報というのは、脆いものです。
クレジット会社や銀行、証券会社、ECサイト、税務署などの名を使い、返金やら賞金をちらつかせてみたり、手続きをしないと罰金であるとか、人間の欲をくすぐり、または不安を煽る。
そして時には脅しめいた文言で迫ってきます。
朝にメールを開くと、20件以上のフィッシングメール。昼間もどんどん入ってきます。
もちろん、サーバーで迷惑メールの振り分けはしていますが、怪しげなメールは手動で削除します。イタチごっことはこのこと。
一度流出した個人情報を回収することは不可能なのです。
これらは人間の欲の産物です。それも詐欺をする側、引っかかる側、お互いの。
そして互いに無駄な時間を使っている。詐欺を仕掛ける時間、それを削除する時間、不安、面倒さ。
自分でも気づかないうちに、小さな欲に支配されているのではないか。
欲は決して悪いものばかりでなく、自分を成長させる欲もあります。
望むこと、望むもの。それを求めたときに心が澱まないか。
自分を客観的に眺める視点も大切だと思います。
一度、自分の『欲』の棚卸しをしてみるのもいいかもしれません。
深追いは禁物。足るを知る…。心の隙間に甘い誘いが入り込まないように。
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
※記事中の写真はすべてイメージ
[文/吉元由美構成/grape編集部]