「1年が早すぎる…」あっという間の10年 物理の世界が教えてくれる今を生きるヒント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
あっという間の10年と、タイムマシン
大雨続きのある日の午後。インターホンが鳴りました。
モニターで確認すると誰もいない。宅配便などのトラックも停まっていない。セールスとか、そんなものかなと思っていると、またインターホンが鳴る。
モニターには誰も映っていない。
またしばらくして、鳴る。
窓から外をそっと見てみると、かなりの雨が降っているだけで、誰もいません。
これは霊的なものなのか、ピンポンダッシュか。または壊れたか。
夜中にも突然連続で鳴るのですから、気味が悪いです。
翌日、近所の電気屋さんに見てもらいました。
「水が入っちゃたんでしょうね。これに交換してから10年経ちますから替えますか?今なら区の助成金もつきますから」
助成金はうれしいですが、それよりも10年という現実に頭がくらっと。
10年…例えば生まれた子が小学4年生、その間にどれだけのことがあったか…10年、恐るべし、です。
最近、久しぶりに会った友人も10年ぶり。
あれは…10年前でしたね、あ、もっと前か。そんな会話ばかりです。
ということは、今日の日もうかうか過ごしているとすぐに「10年前」になる。
10年前の自分…劇的な出来事があったこともなく、いまと大して変わらない生活ですが、ちょうど10年前に母が亡くなったことを思うと一足飛びに「いま」になってしまった感があります。
最近、多くのYouTubeチャンネルに登場しているカリフォルニア大学バークレー校の教授で物理学者の野村泰紀先生の話がとても面白い。時間の速さは一定ではないということが、アインシュタインの一般相対性理論から確認されたというのです。
例えば、高さ34メートルのスカイツリーの展望台は地上よりも1日あたり約100億分の4秒(約4ナノ秒)はやく時間が進むことが超高精度な「光格子時計」によって確認されているそうです。
つまり、時間の進み方と重力は関係していて、重力がかかる方が時間の進み方がゆっくりになるという。
人間には感じられないような差ですが、GPS衛星は地上よりも早く時間が進むので、この差を調整ながら位置情報を送ってくるそうです。
そして野村先生によると、理論上タイムマシンは可能だとか。
ただし、行けるのは未来だけとのこと。
物理の世界は一体どれだけの驚くべき可能性を秘めているのか。
テクノロジーはどこまでも進化していくのでしょうか。
まあ、何もかもが「え?10年前?」なのですから、タイムマシンに乗らずともあっという間に未来はそこに。
いま、ここを大切に生きる、ことに尽きるのでした。
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
※記事中の写真はすべてイメージ
[文/吉元由美構成/grape編集部]