センスのいい家族が暮らす家【vol.32 色と形を楽しむ家・ショコラさん邸】 | HugMug
大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.32は、ミュージシャンとして活躍するショコラさんのご自宅を訪ねました。今年の春、鎌倉に新居を建てたばかりのショコラさん一家。長年温めてきた理想のイメージをひとつひとつ形にした住まいは、まさにショコラさん自身のような、感性が詰まった空間。そのこだわりを細部までじっくり伺います。
profile
Instagram:@chocolatandakito@corchea_jewelry
FAMILY:3人家族(パパ・ママ・長男9歳)
HOUSE TYPE:一軒家 / 新築
HOUSE DETAIL:居住歴3ヵ月/132㎡/5LDK(義父母との二世帯住宅)
AREA:神奈川県
※二世帯住宅のため、義父母が暮らす1階の玄関・お風呂は共用
こだわりの住まいについて
隅々までこだわり抜いた住まい
3年前に東京を離れ、鎌倉に拠点を移したショコラさん一家。息子さんが小学校に上がるタイミングで、長く暮らす家をつくろうと新居の計画がスタート。
住まいの構想は主にショコラさんが担当。「憧れていたことを全部やりたいと思った」と、設計士の方と相談しながら、2年にわたる施工期間を経て、ぶれることなく自身の感性を貫き、細部までこだわり抜いた住まいをつくり上げた。壁色は息子さんとDIYで塗り、自身が好きな「かたち」のモチーフをインテリアの各所に取り入れるなど、隅々まで物語が詰まっている。
「毎朝起きて白湯を飲みながら家を眺め、幸せだなと思っています。自分が心地いいだけでなく、家族にとっても安心できる場所であってほしいので、これから時間をかけて住まいを整えていきたいです」
KITCHEN
“いたくなる”キッチン
料理が得意なわけではないけれど、キッチンという場所は好き。日々そこにいるのが楽しくなるような空間をつくりたいと、家の中でも特にこだわりを詰め込んだキッチン。白色を基調にした背景は、コツコツ集めてきたお気に入りの台所道具や家電など、大切なものがよく映える。そこに立ち眺めているだけで満たされる、まさに理想の空間。
「キッチンのタイル壁に長く憧れていました。白色で統一した台所は清潔感があって、汚れが目につきやすいところも、掃除好きな私の性分に合っています。こまめに掃除をしすぎてしまうのが逆に悩みですが(笑)大切に使い継いでいきたいです」
こだわりのひとつがレンジフード。Pinterestで偶然見つけた海外のキッチンの写真からヒントを得て、オーダーメイドで三角形のカバーを職人さんに依頼した。民芸品の台所道具は、ライブで地方を訪れるたび、こつこつと買い集めてきたコレクション。今のキッチンになって「ようやくしっくりくる居場所が見つかった」という。
家の庭で家庭菜園を始めたことを機に、コンポストを導入。インテリアにも馴染むスタイリッシュなコンポスト容器は『ボカシオルガンコ2』。
レトロなデザインにマスタードイエローがよく映える冷蔵庫は『GE』。これ一筋で今は2台目、15年以上使い続けている。収納力はやや劣るけれど、デザインのよさと丈夫さが何よりの魅力。
家電はデザイン重視。『クイジナート』のエアフライヤーは、パンをトーストするだけでなく、揚げ物や焼き鳥を香ばしく温めるのに便利。『デロンギ』のコンベクションオーブンはレトロなデザインが好み。
新居に合わせて導入したステンレス製のキッチンワゴンとダストボックスはどちらも『足立製作所』。引き出しのサイズ感や、細部まで無駄のないデザインが魅力。
すっきりしたキッチンにするため食器棚の収納は大幅に削り、引っ越しのタイミングで手持ちの食器の2/3を処分。シンプルで使い勝手のいい白い器だけを残した。『サタルニア』の器など、丈夫で機能的、かつスタイリッシュな業務用食器が好み。
住まいのどこかにピンク色を取り入れたくて、キッチンの天井を塗った。サーモンピンクのようなくすんだ色合いは、甘くなりすぎず、温かさを添える。
天井とキッチンカウンターの側面は、ショコラさんと息子さんのセルフペイント。初心者でもムラなく塗れる『ポーターズペイント』の絵の具を使用。この他にも、階段やトイレなど家のあちこちを塗っている。
DINING
ちょうどいいサイズ感のダイニング
キッチンとリビングの間にあるスペースにダイニングテーブルを配置。家族3人の団らんにちょうどいい食卓をつくった。南向きの窓は日当たりがよく、サンルームにいるような開放的な空間。
「設計の段階でとくに迷ったのがここのスペースの使い方でしたが、ダイニングにして正解でした。キッチンからの動線もよく、家の真ん中に食卓があるという配置も気に入っています。高台にあり外の目も気にならないので、日差しの強くない時間帯はブラインドを開け、外の眺めを楽しんでいます」
『LIGHTCOVE』で購入したペンダントライトは、丸や三角、四角などの造形が好きなショコラさん好みのデザイン。
リビングやキッチンとは異なるヘリンボーンの床材を採用。壁をつくらずとも、空間の雰囲気が切り替わり、ゆるやかな仕切りが生まれた。
ダイニングの幅に合わせて購入したテーブルは『ERCOL』。左右が折りたためてコンパクトにも使える。椅子は『KANADEMONO』。
LIVING
好きなものが詰まった空間
キッチン、ダイニングとひと続きに繋がる空間を仕切るのは大きなアーチ。これもPinterestで海外のインテリアから着想を得た。ダイニングは趣味の空間。旦那さんのコレクションの一部であるレコードと音楽に関わる本が詰まった棚を主役に、ギターやテレビなど、家族の好きなものが詰まっている。
「レコードや本の量が多いので、いかに圧迫感なくインテリアの一部に溶け込ませるかを意識しました。
適度に空間を空けたり、間に雑貨や抜けのある雰囲気の本を挟んだりと、並べ方も工夫しています。キッチンからアーチ越しにリビングで過ごす息子を眺めるのが好きです」
壁の一部を凹ませて収納をつくる「リモコンニッチ」の手法を取り入れた本棚は、同じくPinterestで見た海外のインテリアを参考につくったもの。棚の枠の太さや奥行き、幅に至るまで、細部にこだわりが光る。壁に埋め込まれたようなデザインで、収納が多くても圧迫感がない。
映画やミュージックビデオを観たり、レコードを流したり、家族が思い思いに過ごせるスペース。エレキギターは息子さん用に購入。まだあまり使われていないけれど、雑貨のようにインテリアを彩る。
『ニーチェア』のロッキングチェアは、奈良を旅した際に偶然立ち寄ったお店で出会ったもの。あまりの座り心地のよさに惹かれ、購入したそう。ハンモックに揺られているような気持ちよさと、部屋のシンボルになる存在感が好み。
仕事道具を収納するシェルフは20年前に購入した『momo natural』のもの。棚の脚を『PRETTYPEGS』で購入したパーツに付け替えて使っている。これだけで一気に印象が変わり、新居にも馴染む。
WORK SPACE
同じ時間を共有する作業デスク
中庭に面した窓際に細長いデスクを置き、作業スペースに。ショコラさんのアクセサリー制作と、息子さんのお絵描きや工作スペースとして使う。
「ふたり並んでいろいろな話をしながら、気付けば半日くらい没頭してしまうときもあります。息子の部屋は別にあるので、いずれそこで過ごすようになると思いますが、ここで一緒に作業ができる今だけの時間も大切にしたいです」
アクリル絵の具はキャニスターにまとめて、親子で共有。息子さんのマイブームはスクイーズでモチーフをつくること。
チェリーウッドの端材をひとつひとつペイントしてつくる、ショコラさんのアクセサリーブランド『Corchea』のピアス。丸、三角、四角、思い思いの形に色をのせていく。
空間を愛らしく彩る照明は『frame』のもの。広い窓には当初バードフィーダー(鳥の給餌器)を置いてバードウォッチングを楽しむつもりだったが、窓枠にはまらず断念。別の手段を検討中。
WASH ROOM
インテリアを彩る洗面所
日々使う場所だから、気分の上がるデザインにこだわった洗面スペース。ショコラさんの好きな形と色が集まった、賑やかで楽しい空間に。
「オーダーメイドでつくった半円形のミラーがお気に入りです。壁と棚板、天井をセルフペイントしました」
扇形のミラーはオーダーメイドで、丸い電球は『toolbox』のもの。インテリアのアクセントになる。
水切りできるステンレス製のコップは『スリースノー』、ソープディスペンサーは『ダルトン』。スタイリッシュなデザインが、愛らしい洗面所の雰囲気をほどよく締める。
壁色は薄いベージュ。これも『ポーターズペイント』の絵の具を使用して親子でペイント。飾り棚は本棚と同様、ニッチ棚で、壁の中に組み込まれているようなデザインに。
STAIRS
家族の思い出が詰まった階段
1階と2階をつなぐ、家の柱となる階段もセルフペイント。『ポーターズペイント』の絵の具はもともとはもう少し青に近いイメージで購入したが、塗ってみるとパープルみが強く、絶妙な色合いにときめいた。
「絵の具は単体で見たときと家に塗ったときで違う映え方をするので、その意外性も楽しんでいます。色が好きで、好きな色を目にいっぱい入れている時間を幸せだなと感じるので、自分の手で家を塗れたことは特別な経験でした。階段は家の中でいちばん最後に塗った場所。そのぶん思い入れがあります」
壁をくり抜いて、丸い窓に。シンプルな階段にリズムが生まれる。
雑貨や壁の色、家具に間取り。小さなものから大きなものまで、ひとつひとつに詰まったこだわりを丁寧に話してくれたショコラさん。その思いの深さは、越してまだ3ヵ月とはとても思えないほどで、どれだけのイメージを重ねて向き合ってきたのか、家づくりに深く気持ちを注いできたことが伝わりました。
きっと大変だっただろうと思い尋ねると、それでも「すごく楽しかった」とキラキラした目で話す彼女。心から楽しむことが何よりの「センス」となって、住まいに生きていくのだろうと感じます。これからも彼女の手によって心地よくアップデートされていく住まい。数年後に訪れたら、また違う装いに見えるのかもしれません。