朝ドラで話題、藤山扇治郎が語る「勘三郎さんとのデビュー」
そのため、学校をよく早退していたという。
「先生が『扇治郎くんは3時間目で帰るからいらないよ』と給食費を返してくれていて。それを見て、同級生は『扇治郎の家は多分、家計が大変なんや』って心配してましたね(笑)」
家では寝間着でうろうろしていた直美さんを見て、“普通のおばちゃん”というイメージを持っていた、と話す扇治郎。しかし、劇場に行くと、そのイメージは一変したという。
「一緒に楽屋入りすると、急に伯母が“女優の目つき”に変わるんです。怒られるとかダメ出しされるわけではないですが、子どもながらに近づきにくいオーラを感じていました。舞台の日、校門まで迎えに来る伯母の姿が、それ以来ものすごく畏れ多い人に見えましたね」
高校、大学は学業に専念。しかし、就職活動の時期に「やっぱり芝居がしたい」と思い立った扇治郎は、東京の劇団青年座研究所へ入所した。
上京してどっぷりハマっていたのは、寛美さんが出演している松竹新喜劇のDVD。憧れるままに松竹新喜劇へ入団。
そして、松竹時代の彼に目をつけていたと話すNHKの真鍋斎さん(『まんぷく』の制作統括)によって、朝ドラに“初抜擢”された。
「僕はドラマの中で、福子に缶詰を渡すシーンが多いんですよ。