2019年6月11日 16:00
「老後2000万円報告書」よく読めば3660万円足りないことに
「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』資料」より
――老後までに2,000万円を貯める必要がある。
波紋を呼んでいる金融庁の金融審議会の報告書だが、じつは老後には2,000万円以外にも多額のお金が必要だと書いてあることをご存じだろうか。
まず2,000万円の根拠を説明しよう。金融庁の報告書によると、高齢の無職夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の1カ月の平均的な収支は以下の通り。
実収入月 209,198円
実支出月 263,718円
――――――――――
赤字額月 54,520円
つまり、1カ月に約55,000円の赤字が発生することになるのだが、もちろんこれは貯蓄などの金融資産などから補填しなければならない。赤字の額は年間で66万円になるので、この生活が30年続けば1,980万円となる。ここから、「老後のためには2,000万円の金融資産が必要だ」と金融庁は試算する。
だが、金融庁によると、じつは老後にかかるお金はこれだけではないという。
この報告書と一緒に公開された資料には「ライフステージに応じて発生する費用等の例」も記載されている。