2020年2月12日 19:59
バレンタイン市場拡大の背景、脱義理チョコで自分用にシフト
2020年のバレンタインデー推計市場規模は、昨年から約4%増の約1,310億円(記念日文化研究所調べ)。2017年から2019年までは縮小傾向にあった市場が、ここにきてなぜ、アップトレンドに回復したのか。V字回復の背景を含め、2020年バレンタインのトレンドを、食トレンド研究家の渥美まいこさんにうかがった。
■コスメやジュエリーを見つめる感覚で、ショコラを味わう女性たち。
バレンタインの風向きを変えたのは、購入者自身が楽しむ「本格チョコレート市場」の成熟だと考えられます。ここ数年、百貨店のチョコレート売り場では、世界的な専門店のほか、高級ドメスティックブランド、海外ハイブランドのチョコレート参入が目立つようになってきました。これらの勝負所は風味や加工法だけでなく、見た目の美しさや色味、原産地や歴史やエコ視点など、多角的です。
チョコレートが並ぶショウケースを見て、一粒のチョコレートに歓喜している女性たちの姿やSNSの投稿を見ると、チョコレートは「お菓子」というカテゴリを超えて、コスメやジュエリーと同列の“ご褒美”として扱われているように思えます。
そのぐらいチョコレート市場はカルチャー的・技術的に成熟を遂げているのです。