桂文枝語る『新婚さん』での“椅子コケ”が始まったワケ
落語の中にもいろいろな職業の夫婦が出てくるわけですから、新婚さんのしゃべり方や性格や雰囲気を見ることで、どう演じていくかの勉強になりますね」
文枝さんの“名物芸”といえば、番組内で、新婚さんの突飛な発言に対し椅子から転げ落ちる通称「椅子コケ」。あの名物芸が生まれたのは、新婚さんへの“優しさ”からだったようだ。
「新婚さんは一般の方ですから、芸人相手のような、きつい言葉でツッコむとびっくりしちゃうでしょ。だから『え〜!』って椅子からコケることをツッコミの代わりにしました。どんなにド派手なコケ方をしても、50年間ケガをしたことはないのです。パリなど海外で公開収録を行うこともあるのですが、僕の椅子は空輸で現地に持っていっているんです(笑)」
まだまだ新しいことに挑戦し壮健な文枝さん。次なる目標についても語ってくれた。
「南極で『新婚さんいらっしゃい!』をやってみたいですね。
南極の昭和基地に新婚さんもいるやろうから。収録が終わったら、南極の雪に閉ざされている人の前で落語をやってみたいなと。外ではペンギンを集めて、ペンギンの前でも落語をやりたい。反応がなくても、僕は“無観客”を経験していますからまったく問題ありません(笑)」