2020年7月14日 06:00
2m超えてもウイルスが…無換気の密閉空間で空気感染の可能性
そんななか、新たなる脅威が迫っている――。
7月6日、世界中の科学者239人がWHOなどに対し、新型コロナウイルスに関する共同意見書を発表。ウイルスが飛沫より小さい粒子となって空中を漂い、2mをはるかに超える距離で感染する“空気感染”の可能性があると指摘し、翌日にはWHOも「可能性は否定できない」と返答したのだ。
「専門家の間では『2m距離を取っていても感染を防ぎきれない』という意見もあります」(医療ジャーナリスト)
科学者たちの言う“空気感染”について、飛沫感染との中間にあたる“エアロゾル感染”ではないかと指摘するのが感染症専門医で東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授だ。
「これは飛沫より小さいウイルスを含んだエアロゾルが空気中を浮遊して感染させるというもの。条件によってはウイルスが5μm以下の小さく軽い水分の粒子に含まれて、空気中を数時間漂い、集団感染を起こすということはありえます。1月に中国・広州のレストランで離れたテーブルに座っていた3家族10人が感染した事例でも飛沫感染だけでは説明がつかないからです」
このエアロゾル感染を大きく左右するのが、湿度だ。元WHO専門委員でハーバード大卒の医学博士・左門新先生は言う。