2021年4月19日 11:00
元会社員、現“幻の”シフォンケーキ店 うつを乗り越え見えた道
「『ちゃんちき堂』さんですか?ネットで知ったけど、偶然見つけられて、ほんとラッキー。奥多摩にウチのお墓があって、そこで会えるかなって思っていたけど、まさか(隣の)青梅で会えるなんて」
「さっき旦那が『いるぞ。今なら買えるぞ』って教えてくれたから、急いで追いかけてきたんです。大事にいただきます!」
スマホを片手に記念撮影までお願いされているのは、黄色いつなぎにトレッキングシューズ、からん、からんと腰とリヤカーにぶら下げたカウベルを鳴らしながらシフォンケーキを行商する、久保田哲さん(49)だ。
毎朝、妻・かおりさん(45)と手作りしたワンホールを8分の1にカットした、1個300円のシフォンケーキを、常時6~7種類、シフォン工房のある「レンタルカフェCafeころん」などで販売しており、週に3回は哲さんが行商に出ている。
神出鬼没で、次に出会えるのがいつになるかわからない希少性から、60個のシフォンケーキは、30分ほどで完売してしまう。
「これまでは予約分を入れても、1日10~20ホール分くらいしか作りませんでしたが、先日、テレビ番組で取り上げられたことで予約が殺到して倍増。忙しくなるから困るんです。