くらし情報『天皇陛下 政治的と批判も…戦没者追悼式で異例のコロナ再言及』

2021年8月17日 06:00

天皇陛下 政治的と批判も…戦没者追悼式で異例のコロナ再言及

「天皇陛下があえてコロナ禍についてお話しになったのは、国民のことをお考えになったゆえだということは理解しています。しかしコロナ禍へのお気持ちを《全国戦没者之霊》と記された白木の標柱に向かい、述べられる必要があったとは思えないのです。戦没者の御霊ではなく、あくまでも国民に向かってお話しになるべきテーマだと考えています」

もちろん多くの国民と同じように、陛下と雅子さまのご決断を受け入れる意見もある。皇室史に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授はこう語った。

「古来、国民の生活の安寧を願い、そして祈るのは、天皇家の伝統です。その活動のなかには、疫病平癒のための神事、さらに施薬院の創設といった医療への協力もあったのです。確かに象徴天皇は政治に関わらない、政治的な発言をしないということが原則になっています。しかし何が“政治的”であるかに関しての判断は難しいでしょう。
私は陛下がコロナ禍に言及されたことで、『国民に心を寄せる』天皇としての在り方をしっかりとお示しになったと考えています」

昨年以来、天皇陛下は2月のお誕生日会見や6月の日本学士院授賞式などで、コロナ禍に対し、人々が力を合わせることで立ち向かっていくべきと語り続けられてきた。

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