2021年9月1日 15:50
全品100円と2割引きはどっちが得?印象に騙されない買い物術3
「あの買い物、失敗だった!」
こう後悔した経験がない人はいないだろう。ものを買うとき、「私たちには意思決定する際のクセがある」というのは、東京大学で行動経済学を研究する阿部誠先生だ。
「経済学では古くから、人はいつでも合理的に行動すると考えられていました。ですが、冒頭の衝動買いなど、合理的とはいえない行動も多いですよね。こうした人の心理や感情などを考え、現実的な分析を行うのが行動経済学です。これはビジネスの場では『マーケティング』と呼ばれ、商品を売るためなどに活用されています」(阿部先生・以下同)
私たちは自分で商品を選んでいるつもりだが“選ばされている”状況があるという。
「Tシャツを買うとき、2,000円のものと1,980円があったら、多くの方が1,980円を選ぶでしょう。キリのよい数字は高い印象を与えますし、1,000円台というインパクトも大きいからです。
でも実際は、わずか20円の差です」
確かに、迷わず即決しそうだ。
「急いでいるときなどは特に、人は直感的に物事を判断します。買うつもりのなかった商品を買ってしまったり、割高なものを選んだり、判断を誤ることがあります。