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いきなり水拭きは菌や汚れを広げる! 病院清掃のプロのワザ

女性自身
いきなり水拭きは菌や汚れを広げる! 病院清掃のプロのワザ


「近年、コロナ禍が長引くことで、本来リラックスできる家での安全安心が脅かされています。感染リスクが高いのは飛沫によるもの。家庭内でいちばん飛沫が飛ぶ場所は家族が一堂に会する食卓やリビングになります。だからこそ、人が集まりやすい場所を正しく掃除することが重要。ウイルスや汚れをしっかりと取り除き、正しく換気をして環境を整えることが大切なのです」

そう力説するのは病院の清掃作業や衛生管理に携わってきた松本忠男さん。松本さんの掃除術は、事実や科学的データに基づき、汚れた場所に力をかける「適在適掃」で作業の効率化や時短をはかるもの。

また、エステー(株)と共同で小学生に正しい掃除や拭き方を楽しく教える「福育(拭く育)」にも力を入れている。椅子や机を動かしてホコリを舞い上げ、ほうきで掃き散らかし、いきなり雑巾で水拭きをする学校の掃除こそが間違いの根源だという。


「いきなり水拭きしても、汚れを拡散させるだけですが、あまり知られていません。目に見えないウイルスや菌も同じことです。汚れたテーブルに除菌スプレーをかけて拭いたところで、ウイルスや菌を広げるだけなんです。大切な人の命や健康を守るためにも、正しい掃除の仕方を再確認しましょう」

コロナやそのほかの病気を防ぐため、家庭で対策できるところはきっちりしておきたい。簡単に応用できるプロのお掃除術を、ポイントごとに解説してもらった。

■基本は一方向の“S字乾拭き”

汚れたテーブルなどを、濡れた布巾やウエットティッシュでいきなり水拭きするのは絶対にNG。かえって汚れを広げてしまうことになるからだ。

「掃除の内容を分解すると、拭く・吸う・掃くの3つに分けられますが、掃除はほぼ『拭く』作業に集約されます。
そして、基本はまず乾拭き。必ず一方向にS字を描くように拭き取っていきましょう。この“S字乾拭き”なら、汚れを残さず、広げず、舞い上げずに取り除くことができます」(松本さん・以下同)

乾拭きだからといって、円を描くようにグルグルと拭いたり、上下左右にゴシゴシと拭いたりしては意味がない。

正しい“S字乾拭き”をしてこそ、ただの汚れだけではなく、ホコリ・ウイルス・カビ・ダニなどの危険な汚染物質も空中に巻き上げずにゆっくりと拭き取れるのだ。基本の拭き方をマスターし、家庭の掃除に応用しよう!

■換気は掃除の後に

コロナ対策では換気も重要なことだが、換気にもポイントが。むやみやたらに窓を開けたり、換気扇やサーキュレーターなどをつければいいというものでもない。

「空気は常に動いているので、乾いたホコリは風に乗って動きます。空気が悪くなるというイメージから掃除をする前に窓を開ける人もいますが、かえってホコリを舞い上げてしまうだけ。
要領よくホコリを取るためにも、換気は必ず掃除が終わってからにしましょう。掃除の前にはエアコンなども消したほうがベターです」

また、窓を開けて換気をするときには、空気が流れるように、違う方向の窓を2カ所開けるのがベスト。1カ所の窓を開けたところで、部屋にたまった空気が効率よく出ていかず、空気がうまく入れ替わらないからだ。

「できれば30分の間に5分間、窓を開けると◎。ただし、空気の出口になる風下は、ホコリを含む汚い空気も一緒に出ていくことになります。風下の窓付近には近づかないほうがいいでしょう」

プロが教える、菌もウイルスもブロックするお掃除術を身に付けよう。

【PROFILE】

松本忠男

ダスキンヘルスケア勤務を経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者経験を含め35年間、病院清掃に従事

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