2022年6月6日 11:00
特効薬ナシ、致死率は20%…猫・犬からも感染する“恐怖の出血熱”が全国で拡大中!
(写真:共同通信)
「衰弱したネコを保護しようとして手をかまれた50代の女性が重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症して亡くなり、ネコからヒトへ感染する可能性が考えられるようになりました」
そう話すのは宮崎大学の岡林環樹教授。SFTSウイルスは、もとはマダニからヒトへ、またはマダニから動物へ感染すると考えられていたが、ペットを介してヒトへ感染する事例が出始めたのだ。
国立感染症研究所によると、’17年以降、ウイルス性出血熱であるSFTSを発症したペットの飼い主や、診察した獣医師が感染した事例が、少なくとも10件は確認されている。
「感染すると重い症状を引き起こし、ネコの致死率は6割超、イヌは3割とされています。ヒトに感染すると、嘔吐、発熱、下血、意識障害などが起き、致死率は15~25%で、国内における感染症としては非常に高率です。特効薬やワクチンはまだなく、対症療法で治療するほかありません」(岡林教授以下「」内同)
SFTSは、’13年に山口県で死亡例が確認されて以来、感染の報告は増加傾向にあり、昨年は過去最多の109人にのぼる。
「感染の報告は西日本が中心ですが、明らかに感染の流行が東に延びている傾向があります。