2023年2月5日 06:00
『夢芝居』はいいかげんに作ったら大ヒットしてびっくり 異色のシンガーソングライター小椋佳
ファイナルコンサートでは自叙伝で描かれた、これまでの音楽人生が思い出されたという小椋さん
【前編】シンガー・ソングライター小椋佳もう燃え尽きた…でも、余生も愛燦燦より続く
その最後のステージは、観客席を埋め尽くしたファンからの万雷の拍手が湧き起こり、幕が上がった。ステージ中央で選びに選んだ名曲を歌い上げる小椋佳(79)。心に染み入るような声に衰えは感じない。アンコールでは、壮大な『山河』を歌い上げ、『SO-LONG GOOD-BYE』で締めくくる。
50年以上に及ぶ輝かしい音楽人生を締めくくったのは、’21年11月にスタートしたファイナルツアー「余生、もういいかい」の42公演目となる最終日、1月18日。
万感の思いが押し寄せたのだろう、サングラスからのぞく小椋の目尻からは、光るものが。
そして最後の曲を歌い切ると、両手を合わせ、客席へ深々と頭を下げ、確かな足取りでステージを下りた。
希代のシンガー・ソングライター、小椋佳。
東京大学法学部を卒業後、日本勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行してエリートコースを歩む一方、表舞台に出ないアーティストとして活躍。甘い歌声が魅力だが「楽譜は書き起こせないし、楽器も苦手」