2023年2月26日 06:00
オリコン常連で中卒の作詞作曲家・岡嶋かな多さん「音楽を作って辛さも悲しさも成仏させてきた」
恵比寿のスタジオにて
「このスタジオで、一人籠って曲や詞を作ることもあります」
東京・恵比寿駅に近い地下の音楽スタジオでそう話した女性は、作詞作曲家の岡嶋かな多さん(38)。手がけたアーティストは安室奈美恵やSnow ManからBTSまでと幅広く、オリコン1位は通算120回以上。売れっ子の彼女だが、そのプロフィールは「異色」と言えるかもしれない。中学卒業後、高校には行かず音楽業界に飛び込んだ。1月に出版されたばかりの著書『夢の叶え方はひとつじゃない』(PHP研究所)の副題にも「私は、中卒作詞作曲家」とある。
当時の夢は、自身が表舞台に立つシンガー・ソングライター。現在の「裏方」の仕事には葛藤を抱いていたと、本人も打ち明けた。そして今、彼女はこう言い切る。
「これが、私の天職です!」
その思いに至るまでの、物語にあふれた道のりを語ってもらった。
■苦悩を抱えきれないときはワーッと泣いて曲を作って歌って、弱い自分を成仏させた
84年(昭和59年)7月7日、青森県黒石市で生まれた岡嶋さん。
「父は製造業のエンジニアで、母は専業主婦、4つ年下の弟がいます。3歳のとき、父親の仕事の関係でアメリカへ行きました。