平均78歳のおばあちゃんが経営する「BaBaピザ」代表・キョウコさんが語る波乱万丈の半生
なんとか、みんなでやっていけそうと、キョウコさんも安心していたという。ところが、
「テレビで紹介された直後に、日本中がコロナ禍に。’20年は1年の半分が閉店状態だったけど、誰からも『もうやめよう』という言葉は出なかったわね」
コロナによる休業中も、6人はふだんどおりに週に何度か集まっては、フラダンスやオカリナ演奏などをできる範囲で楽しんだ。
そして昨年6月。再び人気番組『オモウマい店』(中京テレビ)に登場したのを機に関東全域からお客が集まり、現実に行列のできる店となる。
「テーブル3つで11人収容という小さな店舗ですから、入りきれないお客さんは、駐車場の車の中でピザを頰張るという、申し訳ないような、ありがたい光景も多く見られます」(キョウコさん)
そして取材にお邪魔したこの日も、オープンと同時に、次々とお客が押し寄せるのだった。その様子を眺めていたら、
「はい、お願いね!」
突然、キョウコさんから記者に、笑顔で伝票が手渡された。厨房まで届けてほしい、とのことだった。
「うちに取材に来た人には、みんな、手伝ってもらうのよ」
なるほど。大慌てで取材ノートをしまい、厨房まで速足で向かうと、少々恥ずかしかったが、大きな声で告げた。