写真上段左から三男・圭悟くん、四男・大地くん、中段左から次女・ちひろさん、長女・陽華さん、六男・朝陽くん、次男・優心くん、母・彩子さん、父・達也さん、下段左から長男・理一くん、五男・樹生くん、七男・歓大くん
「わーい、僕のぶんもある?」
真っ先に駆け寄ってきたのは、5歳の五男・樹生(いつき)くんだった。
リビング兼ダイニングの6畳間。記者が手土産の菓子折りを差し出すと、食卓の周りに、子どもたちが次々に集まってきた。
「おやつはいつも、子どもたち全員に声をかけて、一緒に食べるんです……ちょ、ちょっと待って、みんな!1人、2個ずつよ!」
説明もそこそこに、山本彩子(さいこ)さん(38)は子どもたちに向かって声を張り上げていた。
ここは福井県敦賀市。彩子さんは、高校3年生の長女から1歳の七男まで、7男2女、9人の子の母親だ。
「みんな、ちゃんと座って。あ、あさくん、テーブルに乗らないの!おりなさーい!!」
六男・朝陽(あさひ)くん(3)に向かって、さらに大きな声を上げた彩子さん。
食卓の菓子折りの箱は、早くも空になりかけていた。
「マカロンって、東京のお菓子ですか?」
記者にこう聞いたのは長女・陽華(はるか)